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『第20回文化庁メディア芸術祭』大賞に『シン・ゴジラ』『君の名は。』など

2017年03月16日 18:02  CINRA.NET

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『第20回 文化庁メディア芸術祭』ロゴ
文化庁メディア芸術祭実行委員会による『第20回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品が発表された。

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰する『文化庁メディア芸術祭』。今年度は過去最高となる88の国と地域から4034作品の応募が集まった。

アート部門の大賞に選ばれたのは、ラルフ・ベッカーによる192の直流モーターを用いたキネティックインスタレーション『Interface I』。優秀賞には吉原悠博の作品『培養都市』や石黒浩、池上高志らによるメディアパフォーマンス『Alter』などが選出されているほか、新人賞は津田道子、ローサ・メンクマン、ニナ・クルテラの作品が受賞した。

エンターテイメント部門の大賞は、庵野秀明総監督、樋口真嗣監督の映画『シン・ゴジラ』。優秀賞には市原えつこのロボットアプリケーション『デジタルシャーマン・プロジェクト』やゲームアプリ『Pokémon GO』などが選出された。新人賞には岡崎体育の楽曲“MUSIC VIDEO”のPVやRyo Kishiのインスタレーション『ObOrO』などが選ばれている。

アニメーション部門の大賞には新海誠監督の『君の名は。』が選出。優秀賞は山田尚子監督の『映画 聲の形』、アレ・アブレウ監督の『父を探して』、Anushka Kishani Naanayakkaraによる短編『A Love Story』、アンナ・ブダノヴァの短編『Among the black waves』が受賞した。新人賞には堤大介とロバート・コンドウによる短編『ムーム』など3作品が選出。

マンガ部門の大賞に輝いたのは石塚真一の『BLUE GIANT』。優秀賞に選ばれたのは、高井研一郎作画、林律雄原作の『総務部総務課山口六平太』、ユン・テホの『未生 ミセン』、筒井哲也の『有害都市』、松本大洋の『Sunny』の4作品となる。新人賞は灰原薬『応天の門』、清家雪子『月に吠えらんねえ』、畑優以『ヤスミーン』の3作品が受賞した。

贈呈式と受賞作品展は、9月に東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]と東京オペラシティ アートギャラリーの2会場で開催される予定。

■ラルフ・ベッカーのコメント
20回の歴史と実績を持つ文化庁メディア芸術祭で、アート部門大賞を受賞したことを大変光栄に思います。この作品を評価し、選出してくださった審査委員
の方々にはとても感謝しています。
『Interface I』は、現代におけるテクノロジーの物理的な存在や複雑なシステム、物質と思考の相互作用についての長期にわたる研究と考察の結果です。この作品の背景として核となるアイデアは、ノイズを邪魔なものとして捉えるのではなく、変化と新しい視点を可能にする触媒として理解するというものです。
現在私は、今ある技術原理と放棄され忘れられた方法、理論、材料とを結びつけることに挑戦しています。この研究を、異なる時期や文化にまたがる技術的にハイブリッドな作品にこれからつなげていきたいと思っています。

■庵野秀明、樋口真嗣のコメント
数あるエンターテインメント作品のなかから栄えある大賞に『シン・ゴジラ』を選んでいただき、ありがとうございます。12年ぶりに日本で製作されたゴジラ映画であった本作でしたが、「特撮映画」「怪獣映画」にとことん真剣に取り組んだその先に、ジャンルの枠にとらわれず、「映画」として多くのお客様に楽しんでいただけるものにしたいというのが我々製作陣の願いでした。
今回いただいた評価は、その思いが多くの皆様に届いた結果なのではないかと思っています。本当に嬉しいです。

■新海誠のコメント
素晴らしい賞をいただきましたことを、スタッフを代表してお礼申し上げます。『君の名は。』はその制作の過程においても、観客からの受容の過程においても、とてもたくさんのことをぼくたちに教えてくれました。いただいたものを次の世代の観客にお返しするべく、スタッフ一同立ち止まらずに次回作にまい進したいと思います。

■石塚真一のコメント
栄誉ある賞をいただけたことを心から嬉しく思います。
この度の賞をいただけたのは、作り手側と読み手のすべての想いがあってのことだと強く感じております。
『BLUE GIANT』は、描く前の段階から今日まで一話一話多くの人々に支えられて成り立っている作品です。担当編集者を筆頭に、アドバイスをくれるミュージシャン、作画スタッフ、営業販売のスタッフ、POPメッセージや特設コーナーを忙しい時間を割いて設けてくださる書店員の方々、そして、『BLUE GIANT』を「おもしろい!」と手にとって読んでくれる読者の皆様、本当にありがとうございます。
『BLUE GIANT』の物語はこれからも続きます。というよりも、物語はこれからが勝負だと思います。素晴らしい賞をいただけたことを励みにこれからも頑張ります。
この度は本当にありがとうございました。