トップへ

F1燃料違反問題:ルノー、FIAへの疑義提出に「メルセデス糾弾の意図はない」

2017年03月16日 17:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2017年第2回F1プレシーズンテスト4日目 ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
レッドブル・レーシングが規則の明確化を求めたことに応じ、FIAは、エンジンオイルを燃料として燃やすことは認められないと明言した。ルノーは、レッドブルの行為を歓迎するとともに、これはライバルを攻撃することを意図したものではないと主張した。

 王者メルセデスが予選でエクストラパワーを引き出せるのは、エンジンオイルにパワーアップあるいはアンチノックのための添加剤を混ぜ、それを燃焼させることで、予選の重要な場面でパフォーマンスの向上を実現しているからではないかと、ライバルたちは考えた。それはレギュレーション違反であり、メルセデスはそうした行為はしていないと主張している。

 しかし納得しないレッドブルはFIAに対して規則の明確化を求め、これに応じる形でFIAは、エンジンオイルを燃料として燃焼させることはレギュレーション違反と見なされると明言した。

 レッドブルのパワーユニットパートナーであるルノーのマネジメントディレクター、シリル・アビテブールは、今回の問い合わせを正当であると歓迎し、これはライバルが行っているかもしれない行為を妨害するためではなく、何が許されるのかを明らかにするためであったとの考えを示した。

「規則の明確化は非常に重要なことである。サスペンション関係であれ、燃料システムやオイルであれ、それは変わらない」とアビテブール。

「一年のこの時期には、(連絡が)非常に密にとられる。それは大事なことだ」

「我々は特に誰かを攻撃したわけではない。(規則の解釈を)皆にとって明白にするために、こうすることが必要だった。それによって、適切な監視が行われ、F1において燃焼していいのは燃料であるということを強調することができる」

 アビテブールは、オイルの燃焼に関する疑惑を、いわゆるトリックサスペンションシステムの問題に例え、規則の解釈を明確にすることは非常に重要であると強調した。

「こういったシステムは非常に複雑だ。サスペンションシステムのようにね」とアビテブール。

「レギュレーションが意図することは何かということだ。何を燃やしていいのかは誰もが理解している。それは燃料でなければならない。しかしエンジンオイルが燃焼することは避けられない」

「それでも、オイルを潤滑油として燃やすのか、燃料として燃やすのかでは、全く話が違う」

「我々としては、(レギュレーションが)意図することを明確にしなければならないと考える。FIAは、明確化するための行為を実施すべきであり、その責任を担わなければならない」

 オイルを燃料として燃やしているという疑惑を、メルセデスは一貫して否定している。2015年カナダGPではFIAが添加剤の調査のため、一部のマシンのオイルタンクをチェックしたが、メルセデスに違反は見つからなかった。

 ターボレギュレーションが導入された後、メルセデスは使えるオイルの量を5kgに制限するという提案を自ら行ったが、他チームを納得させることはできなかった。