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セール短縮やプロパーの早期投入は失敗、バロック17年1月期通期決算

2017年03月16日 15:04  Fashionsnap.com

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マウジー ソーホー店の店内 Image by: FASHIONSNAP
バロックジャパンリミテッドが16日、2017年1月期通期決算説明会を開催した。連結売上高は694億9,300万円(前年比101.1%)で、純利益は35億700万円(同83.1%)。国内外への順調な出店により売上は前年を上回ったが、国内既存店舗の苦戦で利益は前年を下回った。国内の安定成長と収益率改善、海外の中国事業の拡大及び北米事業の本格展開により、中期経営計画として2021年1月期に売上1,000億円、経常利益110億円企業を目指す。

バロック、セール短縮やプロパーの早期投入は失敗の画像を拡大

 国内の売上高は上期は概ね計画通りだったものの、下期に秋冬セールを1月15日に切り上げ春物の定価販売にシフトすることで増益を狙う戦略をとり、天候不順や価格志向の消費者の需要を喚起できず失敗に終わった。今後の方針について、「商品の投入時期については今の実態にあった形で市場に妥協せざるを得ないが、プロパーを主体に売る基本戦略に変わりはない」(村井博之 代表取締役社長)としている。今期の出店数は51店舗、退店数は29店舗で純増22店舗。今後も年平均20店舗前後の純増で日本全国に店舗網を広げて全国ブランドにしていきたい考えで、2018年1月期には無店舗県の青森県、福島県、福井県への出店、また二子玉川や吉祥寺、自由が丘、押上、豊洲、横須賀、新浦安といった関東エリアへの重点的な出店も計画している。EC売上は前年比113.5%と好調で、システム刷新により引き続き強化を測る。将来的にはEC専業ブランドの開発や他社を含めた編集サイトの開設も技術的に可能になるという。先月「アディダス(adidas)」との共同開発によるスポーツコレクションを披露したが、他ブランドとのコラボレーション等により引き続き独自価値のある商品開発に取り組む。
 2014年1月期から毎年約60店舗の出店を続ける中国事業の好調により、海外事業は122.2%と大幅に成長。中国では今後も年間約60店舗の積極的な出店を継続し、ECの本格展開は2021年以降を想定している。昨年9月にNYに「マウジー(MOUSSY)」「エンフォルド(ENFÖLD)」の店舗をオープンした米国事業に関しては、2019年までをフィージビリティスタディ期とし、市場調査やSCM調査を進めて最適な事業モデルを構築。2019年以降に本格始動し、ECや卸売を軸とした収益性の高い事業を展開して2021年1月期に40億円規模を目指す。