映画『Alleluia』が『地獄愛』の邦題で、7月1日から東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。
同作は、1940年代に約20人の女性を殺害し、後に電気椅子で処刑された実在の殺人鬼カップルであるマーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスをモチーフにした作品。結婚詐欺師のミシェルと、出会い系サイトで出会ったミシェルに異常な愛情を向けるシングルマザーのグロリアが兄妹と偽って共に結婚詐欺をするようになり、やがて2人の歪んだ愛が未亡人を次々に殺害する狂気に変貌していく、というあらすじだ。
メガホンを取ったのは、デビュー作『変態村』が『第57回カンヌ国際映画祭』批評家週間に出品されたベルギーのファブリス・ドゥ・ヴェルツ。人間が抱く狂気を男女が激しく愛し合う様を通して表現した『地獄愛』についてヴェルツは「どのようにすれば観客とキャラクターが共鳴するかを考えた。その答えが狂気の愛だった」とコメントしている。
ドゥ・ヴェルツ監督はローラン・リュカを主演に迎え、ベルギー・アルデンヌ地方を舞台に狂気の愛を描く3部作を製作しており、『地獄愛』は『変態村』に続く第2弾。同作は、『オースティン・ファンタスティック映画祭2014』で最優秀作品賞など4部門を受賞したほか、ベルギーの『アカデミー賞』と言われる『マグリット映画賞2016』では3部門に輝いた。