交際相手との間に生じる暴力をデートDVと言う。DVというと、殴る蹴るなどの身体的暴力や、強引な性的暴力などが想像されやすい。そんな中、「いつもおごらせる」という行動がデートDVになり得ることを示唆した画像が3月14日、ツイッター上に投稿され、ネット上で話題を呼んでいる。
「無理やり物を買わせる」も、れっきとしたデートDV
画像は「内閣府公認資料ベースで『いつもおごらせる』をデートDVに入れたのは進歩」という呟きと共に2万リツイート以上されている。話題になった画像は内閣府作成のものではなく、昨年2月に産経ニュースに掲載された画像だと見られるが、それでもツイッターではこの画像に対し
「ちょっと変わったのな。デートDVで金銭の問題もDVに含むとは前から言われていたのではあるが……」
「どちらかというと『加害者としての女性』がごそっと掘り起こされそうな指針。これがひとつの指針になるなら、それこそ離婚調停とかの様子がガラっと変わりそう」
といったコメントが寄せられた。
1999年から3年ごとに実施されている「男女間における暴力に関する調査」(内閣府男女共同参画局)で、デートDVの項目に「経済的圧迫」が盛り込まれたのは2014年だ。比較的新しい項目のため、知らなかったという人が多いようだ。
18歳~19歳では、女性より男性のほうがデートDVの被害経験率が高い
内閣府は、DV行為に該当する4つの要素を定めている。殴る・蹴るなどの「身体的暴行」、他の異性と会話をさせないなどの「心理的攻撃」、無理やり性的な行為を強要するなどの「性的強要」、そして、デート費用などをいつもパートナーにお金を払わせる「経済的圧迫」だ。
ツイッターで「内閣府公認のデートDVに女性が不利になる要項が増えたね」とのコメントがあることから、経済的圧迫と聞いて多くの人は、女性が男性にデート代をすべて支払ってもらうことなどが想像されているのだろう。
DVと言うと女性の被害者ばかりに目が行きがちだが、男性のDV被害者も存在している。東京都が2013年に実施した調査では、18歳から29歳までの男女に「これまでDVを受けたことがあるか」聞いている。これによると、18歳~19歳男性の被害経験率は37.5%と、同年齢の女性の経験率23.6%より高い。
女性への加害ももちろん問題だが、これまで日の目を見にくかった男性への加害にも、今後は注目が集まりそうだ。ツイッターには、
「デートDV、要は『親しき仲にも礼儀あり』をちゃんとしろって話なんだよな」
という声もあった。性別に関わらず、自分が加害者にも被害者にもなり得るのがデートDV。交際相手に敬意を持ち、対等の関係性を築けているか、腹を割って話し合ってみてはいかがだろうか。