関西から関東に来ると、文化や街の作りなど様々な面で違いに直面する。歴史的な建造物や観光地の違いに驚くこともあるだろう。
はてな匿名ダイアリーには3月12日、「関東には歴史観光スポットがなくて土日が辛い」という投稿があった。投稿者は大学時代に関西に住んでいた時、休日には京都や奈良に行き放題で過ごし方に困ることはなかった。その後就職のためか上京した際、土日の過ごし方がわからず辛いというのだ。
上京当初は上野や浅草、鎌倉など関東の主要な観光地に行ったが、そこに特別すごいものがあるわけでないと愚痴をこぼす。
「失礼だけど特別凄いものがあるわけでもないところに人だけが凄くて、これはもう行かなくていいかな、という感じだった」
1000年の歴史がある京都は別格「西から目線」と批判
投稿者は具体例として、深大寺(東京都調布市)を挙げる。同寺院はそばが有名なことは認めるが、魅力のわりに人が多く、過剰に観光地化されていると考えている。かつて自身が住んでいた京都や奈良と比べて、
「東京も一応400年の歴史があるんだし、もっとどうにかならないものかなー」
と不満そうだ。
だが歴史的には京都と東京には大きな違いがある。京都は794年に平安京が置かれて以来、明治維新の頃まで約1000年にわたり御所があるなど、政治的に重要な拠点であった。
一方で関東は12世紀後半に鎌倉幕府が置かれたものの、本格的に栄えたのは16世紀後半に徳川家康が国替えで入り、山を削ったり利根川の流れを変えたりするなどの大改造を行ってからだ。
はてなブックマークでは、「まあ京都は別格だ」「西から目線!」など東京と京都を一緒にするな、という主張が目立っている。
東京の楽しみ方は違う「かつての痕跡を見出す工夫が必要」
投稿者が言う「歴史的スポット」とは寺社仏閣のことだと思われるが、東京では都市開発が進んでオフィス街が林立しているため、歴史的建造物が気付かれにくいだけでは、という意見もある。「回向院(編注:墨田区)とか、増上寺(同:港区)とか行かないで言ってるの?」という書き込みがあるが、都心部でも歴史的建造物は存在している。
また、東京の楽しみ方は違うという指摘も見られる。
「東京は常にアップデートされ続ける上に何回もリセットが入った都市なので、かつての痕跡を見出す等楽しみ方の工夫が必要」
具体例として「文豪ゆかりの地巡り」を挙げる人もいた。たとえば、新宿区の夏目坂通りは夏目漱石の生家が坂の途中にあったことに由来している。建造物が残っているわけではないが、これも歴史的スポットだろう。
また、六本木ヒルズは長府藩麻布上屋敷の跡地に建っており、現在でも「毛利庭園」の名が残るほか、東大の赤門は加賀藩上屋敷の門として有名だ。古地図を見ながら歩くという楽しみもありそうだ。
東京だけでなく、関東には日光や川越、小田原や箱根など歴史的スポットはほかにもある。そのため、「見落としてるだけ」「足りないのは歴史観光スポットではなくて知識」という突っ込みも入っていた。