昨年10月に日本でもプロトタイプモデルがお披露目された往年の名車『アルピーヌ』が、いよいよ市販モデルとして2017年ジュネーブショーの会場でワールドプレミアを果たした。
ルノーが名門スポーツカーブランドの復権を賭けて開発した新モデルは、そのまま名称を受け継ぎ『アルピーヌA110』を名乗ることが決定。
かつてはRRのレイアウトとFRP(繊維強化プラスチック)による軽量シャシーを武器に、ラリー界で無類の強さを誇った名車のDNAは、この同名の新世代モデルにも確実に受け継がれた。
アルミニウム製のプラットフォームと、ボディを接着・リベット・溶接で結合した高剛性かつ軽量な構造によるボディは、乾燥重量で1080kgのライトウエイトスポーツの王道的車重を実現。
全長4178mm、全幅1798mm、全高1252mmというコンパクトなボディに加え、44:56という優れた前後重量配分と、燃料タンクをドライバー前方、ホイールベース内に配置するなどした低重心設計で、アルピーヌの名に恥じないハンドリングを示すという。
唯一、先祖と異なるのがエンジン搭載位置で、RRではなくドライバー背後のミッドシップに搭載。積まれるのは、ニッサン・ルノー・アライアンスによる1.8リッターの直列4気筒直噴ターボとなり、アルピーヌとルノー・スポールが、ヘッド周りを中心に共同でチューニングを行った専用エンジンとなっている。
この専用インテークやターボ、エキゾーストを採用したエンジンは、最高出力252ps、最大トルク320Nmを発生。
ルノーのラインアップではおなじみとなるゲトラグ製の湿式クラッチを採用した専用ギヤ比の7速デュアルクラッチトランスミッションと軽量1080kgボディの組み合わせで、0-100km/h加速を4.5秒、パワー・ウェイト・レシオは4.3kg/psという一線級の動力性能を備える。
この新型『A110』はすでに欧州市場では受注を開始しており、最初のロットを「プレミア・エディション」としてアルピーヌ・ブルー、ホワイト、ブラックの3色のボディカラー展開で1955台の限定生産。この台数は、アルピーヌの創設年にちなんだ数字とされた。
日本市場の導入に向けては、今後数週間で受注開始のアナウンスが予定されており、実際のデリバリーは2018年の見込みだ。
価格はまだ未定ながら、欧州の「プレミア・エディション」は約5万8500ユーロ(約720万円)となっている。