TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの一環で、FRCフィンランド・ラリー選手権に参戦しているコドライバーの足立さやかは3月10~11日、第3戦タフコラリーに出場。ドライバーのヤルッコ・ニカラとともに総合3位/クラス3位を獲得した。
2017年のFRCで最後のスノーイベントとして行われるタフコラリーは、フィンランド東央部にあるニルシアのタフコスキーリゾートを中心に開催された。全6SSが設定され、総SS距離は104.32km、総走行距離は292.15kmで争われた。
この大会は平均速度が高いハイスピードラリーとなるほか、ステージも道幅が広いセクション、狭いセクションが混在。加えて、ハイスピードセクションから道幅の狭い場所に飛び込む箇所があるなど、テクニカルな設定となっている。
そのためコドライバーには高い精度のペースノート作成や最適なタイミングでのペースノート読み上げといったスキルが求められる。
ニカラ/足立組(スバル・インプレッサWRX)はオープニングのSS1でトップタイムを記録すると、その後もステージ勝者と1~3秒以内につけるなど好走。総合3番手のポジションをキープしていく。
そしてトップと7.3秒差で迎えた最終SS6。今大会最長の32.83kmで争われたステージで、さらなく躍進が期待されたが、スタート直前に競技が一時中断。ニカラ/足立組は45分間の足止めを強いられてしまった。
その後、競技は再開されたが、日没が近づき路面が凍結。また、日が傾き薄暗い中を通常のフロントライトのみで走らざるを得ないなど苦戦を強いられる。
加えて、ステージ後半にはエンジントラブルも発生するなど、多くの困難に直面しながらも、ニカラ/足立組は慎重な走りでフィニッシュ。トップと14.9秒差の総合3位となり、初の表彰台フィニッシュを達成した。
■「これまでフィンランドで戦ってきたラリーのなかで、もっとも難しいラリー」
「これまでフィンランドで戦ってきたラリーのなかで、もっとも難しいラリーでした」と足立。
「今回のラリーはハイスピードセクションとナローセクションが混在していたので、ペースノートがとても大事だと思い、レッキの段階から慎重にノートを作りました」
「それでもラリーでは読み遅れてしまう箇所が何カ所かありましたが、そこはヤルッコのドライビングと経験が助けてくれました」
「このラリーを通じてまた新しい発見があり、さまざまな工夫をお互いに話し合うことができて、回を重ねるごとに彼を理解できるようになりました」
「次戦は私たちにとって初めてのグラベル(未舗装路)ラリーなので、準備を入念にしたいと思います」
ドライバーを務めるニカラは「サヤカ(足立さやか)のリーディングなしにあれだけ速く攻めることはできなかった」と足立の活躍を表現する。
「サヤカはどんどんフィンランドのリズムに慣れてきている。もちろん、まだいくつかの改善ポイントはあるけれど、走行を重ねるごとにフィーリングが合ってきているのを感じるよ」
ニカラ/足立組が挑む次の戦いは5月19~29日に行われるFRC第4戦リーヒマキ。2017年のFRCでは初のグラベルラリーで、ニカラ/足立組にとっても初のグラベルイベントだ。
なお、同じくTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにドライバーとして参加している新井大輝、勝田貴元は、3月17~19日に行われるIRCイタリア・ラリー選手権第1戦チョコに出場予定。両名にとってはプログラムの加入後、初のターマック(舗装路)イベントとなる。