スペインのカタルニア・サーキットで行われた第2回F1合同テスト3日目。3月9日の午後にフェラーリのセバスチャン・ベッテルとほぼ同じタイミングで、レッドブルのダニエル・リカルドがスペインGPのレース周回数である66周を連続して走行する、フルレースシミュレーションを行った。
その全ラップタイムとともに、テストでのレッドブルの仕上がりを分析していきたい。
レッドブル(リカルド)
【第1スティント】
1周目 out(ソフトタイヤ)
2周目 1'26.3
3周目 1'26.0
4周目 1'26.1
5周目 1'26.1
6周目 1'25.9
7周目 1'26.0
8周目 1'26.1
9周目 1'26.1
10周目 1'26.2
11周目 1'26.4
12周目 1'26.8
13周目 BOX
第1スティントはベッテルと同じソフトでスタートしながら、ベッテルが1分24秒~25台を並べて走行していたのに対して、リカルドは1分26秒台が中心。ラップあたり1~1.5秒も遅い。また、レースシミュレーションでは10周を過ぎたあたりから、徐々にデグラデーションが大きくなり、ベッテルより2周早い13周目にピットイン。ただし、昨年のスペインGPでリカルドは11周目にピットインしていることを考えると、レッドブルのマシンがタイヤに厳しいというよりも、フェラーリの性能が一気に高まったともいえる。
【第2スティント】
14周目 out (ミディアムタイヤ)
15周目 1'26.0
16周目 1'27.3(ベッテルに抜かれる)
17周目 1'26.0
18周目 1'26.2
19周目 1'26.1
20周目 1'26.1
21周目 1'26.0
22周目 1'26.0
23周目 1'26.0
24周目 1'26.0
25周目 1'26.1
26周目 1'26.0
27周目 1'26.1
28周目 1'26.1
29周目 1'26.0
30周目 1'26.1
31周目 1'26.0
32周目 1'26.0
33周目 1'25.9
34周目 in(赤旗)
第2スティントは、ベッテルがソフトだったのに対して、リカルドはミディアム。ミディアムを履いたリカルドのペースはようやく安定し、1分26秒フラットのペースを20周続けた。ただし、ソフトを履いたベッテルは1分24秒フラットで18周走っていたので、このスティントだけで30秒以上の差をつけられた。つまり、トラックポジションを決める第1スティントと第2スティントで装着するタイヤはデグラデーションが小さく、速さもあるソフトだということがわかる。
【第3スティント】
35周目 out(ソフトタイヤ)
36周目 1'24.1
37周目 1'24.0
38周目 1'23.9
39周目 1'24.1
40周目 1'24.2
41周目 1'24.4
42周目 1'24.5
43周目 1'24.5
44周目 1'24.5
45周目 1'24.1
46周目 1'24.1
47周目 1'24.6
48周目 1'24.2
49周目 1'24.7
50周目 1'24.6
51周目 1'24.7
52周目 1'24.5
53周目 1'24.6
54周目 1'24.5
55周目 1'24.9
56周目 1'24.8
57周目 1'24.9
58周目 1'25.2
59周目 1'25.5
60周目 1'25.4
61周目 BOX
62周目 out ミディアムタイヤ
63周目 in(赤旗)
64周目 out ミディアムタイヤ
65周目 1'24.0
66周目 1'25.2
67周目 in 終了
最後のスティントはソフトに履き替えてロングラン。34周目のピットインは赤旗によるもので、本来であれば、ミディアムでもう少し引っ張るつもりだったのだろうが、あまりにもミディアムのペースが遅いことがわかったため、赤旗中断後にミディアムでレースシミュレーションを続ける意味がないと判断したのか、今度はソフトに切り替えてロングランを実施した。
ところがこのスティントでも赤旗が出たため、ピットインとピットアウトをはさむ形でプログラムを消化した。ミディアムを履いたベッテルの66周目が1分24秒9だったことを考えると、ソフトを履いたリカルドの66周目の1分25秒2は、現時点でフェラーリに完敗といっていいだろう。