WRC世界ラリー選手権に挑むTOYOTA GAZOO Racing WRTは3月12日、第3戦メキシコのデイ4に挑み、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6位を獲得。ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)も総合7位に入り、今季初めて2台揃ってポイントを獲得した。
ラリー・メキシコ最終日のデイ4は、サービスパークが設けられたレオン東部でSS18~19の2SSを実施。走行距離は計54.90kmで争われた。
前日、総合6番手につけていたハンニネンは週末を通して体調が優れず、この日も万全とは言えない状態での走行。その影響か、SS18でラトバラに交わされ、ポジションをひとつ落としてしまった。
ハンニネンは最終SS19でステージ1位から27.1秒遅れのステージ9位に終わるも、総合7位はキープ。今季初のトップ10フィニッシュを達成した。
チームメイトを交わしたラトバラは、ボーナスポイントが与えられるSS19でステージ4位を獲得して、総合6位となった。ドライバーズランキングでは首位から陥落したものの、12点差の2番手につけている。
■マキネン「初めてのグラベルラリーから多くの情報を得られた
今大会はトヨタにとって初のグラベル戦となったほか、高い気温や標高の高さといった試練に直面。デイ2にはエンジンの温度が上昇してしまうトラブルも発生した。
しかし、チームスタッフの作業により、デイ3にはトラブルを解決。2台のヤリスWRCが完走したことで、多くのデータや経験を蓄積しており、チーム代表のトミ・マキネンも「今回学んだことは、将来必ず役立つだろう」と語っている。
「第1戦モンテカルロ、第2戦スウェーデンと開幕から2戦連続で素晴らしい結果を収めたが、このメキシコは今年直面するだろうと予想していたような結果になった」
「しかし、難しい状況を乗り越え、ふたりのドライバーが初めて同時にドライバーズポイントを獲得したことに満足している。我々にとって初めてのグラベルラリーから多くの情報を得られたことを嬉しく思うよ」
「非常にトリッキーなラリーだったにもかかわらず、2台のマシンを完走に導いたドライバーとコドライバー、エンジニア、そしてメカニックの貢献に心から感謝する」
WRC第4戦は4月6~9日にかけて、フランス・コルシカ島で行われるツール・ド・コルス。2017年シーズン最初のターマック(舗装路)ラリーだ。
コルシカ島全体が戦いの舞台となる1戦は、平均速度こそ低いものの道幅が狭く、テクニカルなステージも多い。そのため、ドライバーには正確なドライビングが求められる。
加えて、4月のコルシカ島は天候の予測が難しく、ドライバーとチームにはあらゆるコンディションに備えた万全の対策が求められる。