3月12日、富士スピードウェイで50周年を記念したイベント『FUJI WONDERLAND FES!』が行われたが、このなかで1980年代から90年代にかけて大きな人気を集めたグループCカーが7台走行した。
“打倒ポルシェ”を合い言葉に、ニッサン、トヨタ、マツダといった国産メーカーたちがワークス体制で参戦し、多くのモンスターたちを生み出してきたグループC。予選ブーストやQタイヤでの驚異的なパフォーマンスや流麗なスタイリングなど、今もなおファンが多いカテゴリーだ。特に富士でのレースでは、当時の予選で“1000馬力超”、“ストレートで400km/h以上”といった言葉が聞かれていたほどだ。
そんな往年のグループCカーたちが、50周年を祝うこの日のイベントでふたたび富士スピードウェイに集った。この日は合計7台のマシンが走行したが、ラインアップは下記のとおりだ。
1984 MCSグッピー(戸谷千代三)
1985 ニッサン・シルビア・ターボC ニチラ(星野一義)
1985 トヨタ・トムス85C-L(中嶋悟)
1991 マツダ787B(寺田陽次郎)
1992 ニッサンR92CP(鈴木利男)
1992 トヨタTS010(関谷正徳)
1994 ポルシェ962C(高橋国光)
正確には94年のポルシェはJGTC仕様となっている車両だが、いずれも富士で印象的な戦いをみせてきた車両と、当時のドライバーたちが乗り込むという豪華なもの。特に現在はホンダ陣営の一角で代表を務めている中嶋悟のトヨタ85C-Lのドライブは、双方の理解があってこそ実現したものだろう。
イベントではニッサンR92CP、トヨタTS010、マツダ787B、ポルシェ962Cといったところが一団となって走行。787BとTS010は同じ年に戦ってはいないが、まるでJSPC全日本スポーツプロトタイプカー選手権の最終期である1991~92年を再現したかのような光景を実現した。特に3.5リッター自然吸気V10のトヨタTS010、そしてロータリーのマツダ787Bのサウンド、ニッサンのターボサウンドは、やはり現代のレーシングカーではあり得ないほどの快音。50年を迎えた富士スピードウェイを、高らかなエキゾーストノートで祝福した。