3月12日、富士スピードウェイで50周年を記念したイベント『FUJI WONDERLAND FES!』が行われたが、このなかで1976年10月に、日本で初めてのF1公式戦として開催された『F1イン・ジャパン』を再現したイベントが行われた。
1976年のF1イン・ジャパンは、日本で初めて行われたF1の公式戦であるとともに、ジェームス・ハントとニキ・ラウダの後年にまで語り継がれた戦いの決着の舞台として、歴史に名を残したレースだ。2013年に公開された映画『ラッシュ/プライドと友情』のクライマックスシーンにもなっている。
この日の『FUJI WONDERLAND FES!』は、1966年にオープンした富士スピードウェイの50年の歴史を振り返るイベントとなったが、その目玉となったのが76年F1イン・ジャパンのシーンを再現しようという『Back to F1 WORLD CHAMPIONSHIP IN JAPAN』だ。
今回のイベントのために、富士スピードウェイでは現存するマクラーレンM23とロータス77をイギリスから、フェラーリ312T2(1977年仕様)をアメリカから輸送。これに同年のF1を走った純日本製マシンのコジマKE007、1977年のF1イン・ジャパンを走ったウルフWR1、そして幻の日本製F1と言われたマキF101が加わっての走行が予定された。
当日はコジマKE007、マキF101がマシン不調のため走行できなかったものの、その他の4台がそろって当時らしい快音を響かせ走行した。マクラーレンM23、ロータス77はなんと当時実際に走行した個体とのことで、より一層1976年のその時を感じさせるデモランとなった。
イベントでは、実際にグリッドにマシンを並べ、当時と同様のポルシェがペースカーを務めるレース形式での走行となったが、最後は1976年のレースどおりロータス77が優勝。当時3位に入ったマクラーレンM23が続いた。
このデモランでは、1976~77年に実際に参戦した長谷見昌弘や高橋国光、星野一義といったレジェンドたちが場内のコメンタリーを務めた。各車両とも“名車”と語られるだけに、これほどの豪華なラインアップがそろうデモランは後にも先にもこの日だけなのは間違いないだろう。