「将来、人工知能によって大半の仕事が消滅する」という話を、ここ数年で多く聞くようになった。2014年にはオックスフォード大学の研究者らが論文を出し、10~20年後に消えてなくなる職業として、レジ打ちやネイリストがリストアップされ話題になったことも記憶に新しい。
こうした中、ガールズちゃんねるに3月10日、「将来なくなる仕事を予想」というスレッドが立った。トピ主は「ここでは事務職などが人気ですが、私は将来無くなってしまいそうで不安です」とこぼし、「皆さんが思う機械化されそうな仕事はなんですか?」と呼びかけた。
日本の職人芸「食品サンプル作り」も3Dプリンターに代用される?
「とりあえず今ある職業全てあげとけって感じの書き込み多いなw」とコメントがあったように、高速道路の料金所、レジ打ち、データ入力など、かねてから危惧されていた職業はもちろん、教師やピアニストといった専門的な職業まで様々だ。中には
「食品サンプル職人。 実際に3Dプリンターで何かしら製作したことがある人はわかると思う。 日本が誇る職人芸だったのに...」
と、人間の特殊技術が機械に置き換えられていく現状を惜しむ声もある。事務職については特に厳しい意見が出ていた。
「事務職の多くはゼロにはならないけど、 人数はどんどん減ってるよね。ホールディングスとか、 事務部門を一つに統合して、 グループ全体の事務業務を減らす会社もあるし」
「専門スキルつけていかないとドン詰まりになるよ 」
厚生労働省によれば、2017年1月の事務的職業の有効求人倍率は、パートを含めても0.45倍、パートを除けば0.4倍だという。サービス業や販売業が軒並み1倍を超える中、職種別に見ると唯一1倍を下回っている。
それでもやっぱり事務がしたいという女性の声
とはいえ、今後消えそうでも、内定まで熾烈な競争が待っていようとも、事務職の人気は高い。3月8日にも同サイトで「事務未経験だけど事務職に就きたい」というトピックが生まれ、トピ主は販売職から事務職に転じるためのアドバイスを求めていた。
一言で事務と言ってもその仕事の幅は広い。知識が無ければ務まらない経理事務や病院事務、営業事務など多彩だ。総じて「事務はなくなりそう」と言うのはやや傲慢かもしれないが、冒頭でお伝えした論文でも「給与・福利厚生担当者」「簿記・会計・監査の事務員」などがなくなると予想されている。なんともしょっぱいが、これが現実だ。
近年スーパーでセルフレジが増えてきたように、人工知能の活用や機械化で置き換えられてしまう仕事が出てくるのは確からしい。しかし、その分新しい職業も生まれるはずだ。大切なのは職種へのこだわり以上に、自分の適性や得意なことを把握し、世の中の流れに合わせて適用させていく柔軟さではないだろうか。