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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『哭声/コクソン』と『モアナと伝説の海』

2017年03月10日 18:43  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、編集スタッフ2人がそれぞれのイチオシ作品をプッシュします。


参考:映画の地上波放送はどう変化? 『日曜洋画劇場』終了とフジテレビ『アナ雪』批判から考える


■『哭声/コクソン』
 ベイスターズファン歴22年目・石井がオススメする作品は、ナ・ホンジン監督最新作『哭声/コクソン』。


 「面白い!」と言われる映画には、疑問点を誰かと話し合ったり、ネット上に正解がないか探してみたり、原作本も読んでみたり……映画が終わった後も延々とその作品について考えてしまう、という共通要素があると思います。その意味では、今年公開された作品の中でも、一番!と言っていいほど、「答え合わせ」をしたくなるのがこの『哭声/コクソン』です。


 『チェイサー』、『哀しき獣』とデビュー作から2本続けて世界を揺るがしたナ・ホンジン監督。その最新作となれば、誰もが期待するところだと思いますが、本作はその期待値をはるかに越えていきます。とある田舎の村を舞台に、美しい風景がロングショットで捉えられ、主人公も過去2作のような“強い男性”ではなく、どこかおっちょこちょいな警察官のジョング。不穏さは漂いつつも、随所に笑いもあり、穏やかささえ感じる展開で映画は始まります。が、そう思った自分が馬鹿だったと思うほどに、あれよあれよという間に予想もしかなった展開へ。


 これが、ホラー映画だ、ゾンビ映画だ、と予めジャンルという答えが出されていれば、観る側としてもそれを受け入れる気持ちが整えられると思うのですが、本作のジャンルは『哭声/コクソン』としか言いようがありません。後半30分の怒涛の展開は、文字通りグラグラと揺れ動かされること間違いないです。


 日本人俳優・國村隼さんが日本語で演技をし、一際放った“異物感”を放っているのも見どころのひとつ。ドラマ・映画と出演時間が短くてもその存在感で作品にスパイスを与えてきた國村さんですが、ここまで有効な國村隼の起用法があったのかと日本人の観客ほど驚くはず。


 この作品ほど、“ネタバレ厳禁”な作品もないと思うので多くを書くことはできませんが、映画ファンはもちろん、「非日常を体験したい!」と思っている方には有無を言わさずオススメです。


■『モアナと伝説の海』


 リアルサウンド映画部の二次元担当、炎の営業アニマルこと泉がおすすめするのはディズニーアニメーション最新作『モアナと伝説の海』。


 待望のディズニー映画最新作は、南の島に暮らす勇敢な女の子・モアナと、魔法の釣り針で何にでも変身できる半神半人・マウイが繰り広げる大航海アドベンチャー。世界を闇の力から救うために故郷の島から飛び出した少女が、エメラルドブルーに輝く大海原を仲間たちと航海しながら様々な困難に立ち向かい、成長していく姿が描かれていきます。


 監督のジョン・マスカーとロン・クレメンツのコンビは、ディズニーの中でもレジェンド的な扱いを受けるベテランクリエイター。70年代の頃からディズニー作品の制作に携わり、『アラジン』や『リトルマーメイド』、『ヘラクレス』といったディズニー不朽の名作を生み出しています。そんな大御所の指揮のもと、『ズートピア』で脚本兼共同監督を務めたジャレッド・ブッシュが脚本を担当し、さらにはブロードウェイミュージカル『ハミルトン』でグラミー賞に輝いたリン=マニュエル・ミランダが作曲家として参加しています。


 強い意志を持った女性主人公が、閉鎖的な環境や社会から飛び出し、仲間と共に自身の目標や夢を実現させていく。『ズートピア』や『アナと雪の女王』然り、近年のディズニー作品の流れを踏襲した壮大で奥深いストーリーや、バラエティ豊かな音楽はもちろん素晴らしいのですが、往年のディズニーファンに対するサービスもたくさん散りばめられていました。


 ディズニー映画でおなじみなのが、他のディズニー作品のキャラクターがカメオ出演すること。『塔の上のラプンツェル』にピノキオが置いてあったり、『アナと雪の女王』にラプンツェルが登場するなどなど、『モアナ』にももちろんカメオ出演キャラがたくさん出ています。物語や音楽とあわせて、細部の仕掛けを探ってみると、よりディズニーワールドを楽しめるかもしれません。(リアルサウンド編集部)