ルノーF1は、実際に走行する以前から新型パワーユニットの問題点を把握していたものの、先週テストをスタートして以来、想定していた以上に問題が大きいことが判明したと明かした。
第1回合同テスト中、ルノーF1ワークスチーム、レッドブル、トロロッソはそれぞれルノーのパワーユニットのトラブルに見舞われた。第2回テストでも、火曜午前中にルノーのジョリオン・パーマーが、予防的措置でパワーユニットを交換することになり、走行時間をロスした。
水曜にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが2度にわたりMGU-Kのトラブルに見舞われ、木曜日にはパーマーがERS(エネルギー回生システム)に問題が再び生じたことにより、コース上でストップした。
「2017年に向けて全く新しいパワーユニットを開発した。今週はERSの問題があって、十分な距離を走ることができていない」とルノーのエンジンテクニカルディレクターであるレミ・タファンは認めた。
「ダイナモでの開発においても似たような問題が出ていたが、実際にコースで走行すると、問題が大きくなった」
「既に対処は進めていて、メルボルンでの今シーズン開幕戦に持ち込むものでは適正レベルの信頼性が確保されると考えている。ただ、ここバルセロナでの走行に影響が出てしまった」
問題を抱えていたため、ルノーワークスチームの走行はここまでで合計509周にとどまっている。これは全チーム中3番目に少なく、ルノーを下回るのはトロロッソと、やはりトラブルに見舞われているマクラーレン・ホンダのみである。
ライバルのパワーユニット・マニュファクチャラーと比べると、ルノーが総計1,274周を走行したのに対して、メルセデスが2,314周、フェラーリは2,171周を記録している。
パーマーは、問題を適切に管理して貴重なデータを集めることが「思っていたほど簡単には進んでいない」と認めたうえで、こう付け加えた。
「僕らは常に(パワーユニットを)改良するためのソリューションを導き出すべく努力しているが、今、ビリーのファクトリーでは問題解決のため大がかりな作業が行われている。メルボルンではもっとずっとうまく扱えるようになるだろう」
当初、木曜午後には、ニコ・ヒュルケンベルグがパーマーから新車R.S.17の作業を引き継ぐ予定だったが、パーマーにコース走行の時間を与えるために、計画が変更された。
ヒュルケンベルグは最終日となる金曜日には終日単独で走ることになったが、その後さらに変更されて、結局金曜午前のみとなり、午後には再びパーマーが走行する。彼によれば「今週はひどい一週間だった」ためだ。
最終日にはパワーユニットをデチューンしてトラブルを避け、シャシーの作業に取り組む予定かと聞かれて、パーマーはこう答えた。「パワーユニットの出力を下げるかどうかはさほど大きな問題ではない」
「まずはシャシーのセットアップ作業ができるように、周回を重ねる必要がある」
「エンジンのパフォーマンスが良くなることは確信している。エンジンの出力を上げて(マシンの)パフォーマンスを確認することが重要なんだ」