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熱回生搭載! ルノーF1共同開発の『インフィニティQ60プロジェクト・ブラックS』

2017年03月10日 16:10  AUTOSPORT web

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インフィニティの高性能版を示唆するモデル、『インフィニティQ60プロジェクト・ブラックS』
ニッサンがグローバル市場で展開する高級ブランド、インフィニティは、スイスで開催されているジュネーブショーの会場で、今後の高性能モデルを示唆する『プロジェクト・ブラックS』の第1弾モデルを発表した。

『インフィニティQ60クーペ』をベースに開発されたこのハイパフォーマンス版『インフィニティQ60プロジェクト・ブラックS』は、ルノー・アライアンスを最大限に活用し、開発のリソースをルノー・スポールF1チーム(RSF1)と共有。

 全体をマットグレーとブラックで仕上げたボディは、炭素複合繊維の成形技術を活用し、ベースモデルからの大幅な軽量化を実現している。

 インフィニティのロンドン・デザインチームが手がけた大型のフロントスプリッターや、鍛造21インチアルミホイールを収めるため膨らんだブリスターフェンダー、そして整流効果を持たせたサイドスカートに加え、F1をイメージさせる大型のリヤディフューザーを備えるなど、空力性能、ならびに冷却効率の改善も果たした上で、圧倒的な性能を予感させるスポーティな外観となっている。

 そしてRSF1とのコラボレーション最大のトピックスが、搭載されるパワーユニット。まさに“パワーユニット”と呼ぶにふさわしいその内容は、Q60が積む3.0リッターのV6ツインターボをベースにF1由来のERS(エネルギー回生システム)をロードカーとして世界初搭載。

 ブレーキング時の発熱エネルギーを電力に変換して蓄えるMGU-Kと、ターボチャージャーに取り付けられたMGU-Hユニットを搭載し、排気ガスからも熱エネルギーを回収。

 各MGUによって回収されたエネルギーは高速放電リチウムイオンバッテリーに蓄えられ、モータージェネレーターにより電気エネルギーとしてクランクシャフトおよびターボチャージャーのタービンブレードをより迅速に回転させる。

 これにより、アクセルオン時には電力によるタービン軸へのアシストが加わり、どの回転域でも応答遅れのない“ターボラグ・フリー”のレスポンスを実現。最高出力でも25%増強を果たしたという。

 ショーモデルでも、すでにチタン製のツインエキゾーストやブレーキダクトによる冷却システムなど、あらゆる部分にアップデートが施されているが、インフィニティによれば、市販バージョンの登場までにはシャシーとサスペンションのさらなるチューニングと、最適化の恩恵を受ける可能性もある、としている。