アストンマーティンとレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズが共同開発し、AM-RB 001のコードネームで知られる革命的なハイパーカーの正式名称が『アストンマーティン・Valkyrie(バルキリー)』に決定。3月7日に開幕したジュネーブ国際モーターショーの会場でもお披露目された。
Virage(ビラージュ)、Vanquish(バンキッシュ)、そしてアストンマーティンVulcan(バルカン)に続く、Valkyrie(バルキリー)の名称は、1951年のVantage(バンテージ)から始まるアストンマーティン「V」カーの系譜を継ぐもの。
このバンテージの名称は、当時生産されていたDB2とハイパフォーマンス派生モデルを区別するために採用され、2005年には独立したモデル名として成立。この12年間に、V8とV12を搭載したラインアップが完成し、アストンマーティン史上もっとも成功したモデルシリーズに位置づけられている。
初代バンテージの登場からほぼ70年が経過した節目に登場した、新世代の「V」カーとなるバルキリーは、古代の北欧神話に由来する女神の名前から採用された。
この名称は、究極のアストンマーティンを示すだけでなく、「ハイパーカーとしてのデザイン、エンジニアリング、パフォーマンスの究極的表現という意味においても、そのドラマ性を完璧に言い表している」と、アストンマーティン・チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは説明する。
「アストンマーティンの車名には深い意味が込められています。まず刺激的でワクワクする響きを持っていなければなりません。車名そのものがストーリーを語り、104年の歴史とヘリテージを垣間見せなければなりません」
「アストンマーティン・バルキリーは非常に特別なクルマのため、特別な名称がふさわしいと考えていました。アストンマーティンが持てるすべての叡智を傾けて製作する、一切の妥協がないクルマです」
「力と誇りを連想させ、神に選ばれたことを連想させる名称は、示唆に富んでおり、ごくわずかな幸運な方だけが経験できるクルマにふさわしいものです」
これまでも限られたスペックしか明かされていない同車だが、約1000psを発生する自然吸気のV12エンジンをミッドシップに搭載。
このV12の開発にはエンジン・ビルダーのコスワースが関与し、トランスミッション・エキスパートのリカルドが7速デュアルクラッチを、ハイブリッドテクノロジー・リーダーのリマックがKERS用のハイブリッドバッテリーを開発している。
そのほか、カーボンファイバー構造スペシャリストのマルチマチック、ブレーキシステム・サプライヤーのアルコンおよびサーフェス・トランスフォームズ、エレクトロニクスの巨大企業ボッシュ、照明テクノロジー・エキスパートのワイパックなど、多くの協賛企業が名を連ねる。
また、今回の正式名称発表に合わせて、タイヤメーカーのミシュランが参加することもアナウンス。センターロック式の軽量マグネシウムホイールには、フロント:265/35 ZR20、リア:325/30 ZR21という巨大なサイズのミシュランのパイロットスポーツ・カップ2が組み合わされた。