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ヤマト運輸に是正勧告、横浜の支店で違法残業…元運転手「ずっと昔からブラック」

2017年03月10日 00:23  弁護士ドットコム

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横浜市にあるヤマト運輸の支店が、昨年12月8日付で横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、複数関係者への取材で分かった。労使で決めた上限を超えて、従業員に違法な時間外労働をさせていたという。未払い残業代の支給など、連日報道されるヤマトの労働環境改善策の一因とみられる。


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是正勧告を受けたのは、神奈川平川町支店。元セールスドライバー2人が労基署に実態を申告していた。2人の訴えにより、この支店には昨年8月にも、(1)法定の休憩時間が取得できていないこと、(2)未払い残業代があること、について是正勧告が出ている。


今回の是正勧告について、労基署は2人にも、どの期間が違法残業だったかは示していない。ただし、2人を支援する神奈川労連によると、ヤマト運輸の36協定では、残業時間の上限(2015年)は年間529時間なのに、2人の残業時間は年間900時間前後もあったという。2 人は現在、未払い残業代を求めて、労働審判で争っている。


このうち1人が3月8日、弁護士ドットコムニュースの取材に応え、次のように憤りを語った。


「会社やヤマト運輸労働組合には何度も労働環境の改善を訴えてきたが、聞き入れてもらえなかった。荷受けの抑制や未払い残業代の支給といった施策が連日報道されているが、なぜ今なのか。一見素晴らしい会社のように映るが、行政に指摘されたからあわててやっただけにしか思えない。


確かにAmazonの荷物を運ぶようになって、労働密度があがり仕事はきつくなった。ただ、夜も時間指定の配送があるので、終業時間はそんなに変わらない。法律上、未払い賃金は過去2年分しか請求できないが、ずっと昔から、ヤマトはドライバーのサービス残業で成り立っていた」


●全社的な問題に発展する可能性も

調査はこれで終わったわけではない。複数の現役ドライバーによると、労基署は是正勧告が出た平川町支店が所属する「神奈川主管」の複数ドライバーのタイムカードを集め、分析しているようだ。


神奈川主管では今年1月にドライバーを集め、タイムカードの記録などを見ながら、残業代についての面談を実施した。しかし、2015年12月分のタイムカードについては、「担当者から『労基署に持って行かれたので原本がない』との説明を受けました」とあるドライバーは語る。


12月は宅配便業者にとって、もっとも忙しい時期だ。別のドライバーに、その月のタイムカードのコピーを見せてもらったところ、36協定の上限(月101時間)を超える残業時間が記録されていた。どこまでが労働時間と認定されるかは労基署次第だが、今後、支店を超えて、全社的な問題に発展する可能性がある。


ヤマト運輸は弁護士ドットコムニュースに対し、「是正勧告が出たことは事実だが、(自動車運転者の)改善基準(告示)違反という以外、内容については回答を差し控えたい。また、タイムカードの件についても答えられない」としている。


(弁護士ドットコムニュース)