BTCCイギリス・ツーリングカー選手権でトヨタ・アベンシスを走らせるスピードワークス・モータースポーツが、2017年シーズンからプロダクションモデル同様、最新のフェイスリフトを施したニューマシンを投入する。
アップデートされたこの17年モデルは、フロントグリルからリヤエンドに至るまでボディワークの造形とエアフローを見直したことにより、エアロダイナミクスの性能向上はもちろん、冷却性能とドラッグ低減の両立も果たしている。
とくに「新しいフロントグリルの変更が効率の改善に大きな役割を果たした」とチーム代表のクリスチャン・ディックは説明する。
「2011年にトヨタ・アベンシスをBTCCに投入して以来、最大のマシンアップデートになる。あらゆる点で大幅な進歩を遂げたという確信があるし、マシンはどの角度からも性能が上がっている。実際のレースウイークエンドでどんな動きを見せてくれるか楽しみだよ」
スピードワークス・モータースポーツは今季もトム・イングラムの1台体制を予定しているが、同じくトヨタ・アベンシスを走らせるハンディ・モータースポーツのロブ・オースティンは引き続き従来モデルを使用することもあり、トラックで唯一の新型アベンシスとなる。
そのイングラムは昨年も旧型アベンシスでシリーズ2勝を挙げており、代表のディックは17年にはこの新型アベンシスで「タイトルコンテンダーの有力候補になる」ことを狙っている。
「アベンシスにはまだ未開拓のポテンシャルがあると感じている。我々もマシンを常に改善し、最新の理解を投入し適切なアップデートを加えていきたいと思っている」
「そのためマシンのあらゆる分野を慎重に評価し、いくつかのエリアで性能向上のゲインが得られそうな分野を特定することができた」
この新型アベンシスは、先日ポルトガル・アルガルベのトラックでシェイクダウンを行い、ステアリングを握ったイングラムも好感触を得たようだ。
「このオフはスピードワークスのファクトリーで本当に多くの時間を過ごした。アベンシスに施された改良を間近で見ていたし、どれほど革新的なパッケージになっているか、語りつくせないぐらいだよ」とイングラム。
「設計図面上では大幅な進化を果たしていて、ラップあたりコンマ5秒の向上が見込める計算だ。ドライブした感触にも良い兆しがあったよ」
また、今季からファクトリーチームとしてパワー・マックス・レーシングとのジョイントでBTCCに復帰することが決まっているボクスホールが、ニューマシンとなるNGTC仕様のアストラをドニントンパークでシェイクダウン。
エースのトム・チルトンと、ルーキーのセナ・プロクターがマシンをシェアし、システムチェックを中心とした走行を行った。
代表のアダム・ウィーバーは、昨年のクリスマスからマシン製作を休みなく続けてきたと成果を強調。2台目のマシンを3月16日のBTCC公式テスト"メディア・デイ"に間にあわせるべく、今後も急ピッチで作業を進めていくとしている。