現地3月8日、WRC世界ラリー選手権第3戦メキシコのシェイクダウンが行われ、第2戦スウェーデンでWRC復帰後初優勝を飾ったTOYOTA GAZOO Racing WRTは、初めてのグラベルラリーに向けて順調なスタートを切った。
3月にして25度を超える高温と、海抜1800メートル級の標高というふたつの要素が戦いの鍵を握るラリー・メキシコは、トヨタにとって新たな挑戦となる。
ヤリスWRCにとってメキシコ初走行となったシェイクダウンでは、本番のSSに近い路面コンディションのグラベルコースを複数回走行。システムチェックを行うとともに実戦を想定した全開走行を実施し、現地9日からの競技開始に向けてマシンパフォーマンスの確認を行った。
最終的にヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が4番手、ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が10番手タイムを記録した。
チームのチーフエンジニアを務めるトム・フォウラーは、「メキシコ特有の高い標高にエンジンのマッピングを適合させるため、あえて全開で走らせた」とシェイクダウンでは珍しい全開走行の実施理由を語った。
「走行ごとにチューニング作業を行なった結果、エンジンの最適化が進み、最終的に2台のマシンともに満足できるタイムを記録した」
■ラトバラは走行を重ね、セットアップを改善
ラリー・スウェーデンでトヨタに初優勝をもたらしたラトバラは「最初の走行では、マシンのセッティングに満足できなかった」とコメント。
「走行後、エンジンマッピングを変更し、ダンパーの減衰力を調整したところ2回目の走行ではフィーリングがかなり良くなった。3回目には本当に満足できるセッティングに仕上げることができたよ」
「これで明日からの競技に自信を持って臨むことができる。しかし、ラリー・メキシコは気温が高く、タフなイベントだから心して挑むつもりだ」
ここまでの2戦で厳しい戦いを強いられているハンニネンは、「全体的にとても良いフィーリングで走り終えることができた」とシェイクダウンを総括した。
「マシンに問題が発生しなかったため、エンジンのマッピング作業に集中し、良いセッティングを見つけることができたと思う」
「明日の(現地)木曜日はSS1が行われるメキシコシティに向かうけど、メキシコはとても熱狂的で素晴らしいファンが多いから、今からとても楽しみだよ」
現地9日の競技初日は、ラリーの中心地となるレオンから約400km離れたメキシコシティで競技がスタートする。
メキシコシティの中心部で、歴史的地区の“ソカロ”で実施されるSS1は、1.57kmの特設コースを2回走行するショートステージ。スタートは現地時間18時すぎ(日本時間9時すぎ)の予定だ。