3月7日に再開された第2回F1バルセロナ合同テスト。カタロニア・サーキットに元フェラーリのテクニカルディレクターだったジェームス・アリソンの登場した。
3月1日からメルセデスAMGの一員として仕事をスタートさせていたアリソン。メルセデスAMGのチームウェアをまとってサーキットに姿を現したのは、今回が初めてだった。テクニカルディレクターを務めるアリソンは技術部門を統括する役割を担うため、テストでは自らが動き回るということもなく、泰然自若としていたのが印象的だった。
対照的だったのが、フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ代表。そもそもテストにチーム代表が来ることは珍しい。メルセデスAMGでチーム代表的な存在であるトト・ウォルフ(エグゼクティブディレクター/ビジネス)が2回目のテストにやってきたのは2日目の午後。妻のスージー同伴だった。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は2回目のテストにまだ来てもいない。
そんな中、アリバベーネ代表は1回目も2回目も、毎日朝から晩までいる。しかも、彼はピットレーンに出てきて、コースを走行するマシンを時折、チェックしている。
2回目のテスト2日目の朝には、こんなことがあった。キミ・ライコネンがステアリングを握ったこの日、フェラーリはテストスタート直後のインスタレーションラップで、リヤ周辺の空力のデータ収集を行っていた。
データ収集を終えて、ピットインしてきたマシンには大掛かりなセンサーが取り付けられており、その姿を写真に収めようとカメラマンが群がると、メカニックたちが撮影されないようにパーテーションでマシンを隠していた。
しかし、ガレージに戻そうと移動しているマシンをパーテーションだけで完全に隠すのは至難の技で、パーテーションの切れ目からどうしても車体が見えてしまう。するとその様子を見ていたアリバベーネ代表は、見ていられなくなったのか、次の瞬間、とんでもない行動に出たのである。それは、自らが壁になって、カメラマンたちの前に立ちはだかったのだ。
これには我々メディアだけでなく、フェラーリのスタッフたちも呆然自若!!
現場介入が甚だしいセルジオ・マルキオンネ社長に、サーキットで自ら動き回るアリバベーネ代表のイタリア人2トップと、冷静沈着なイギリス人のアリソンとの反りが合わなくなるのは、自明の理だったのかもしれない。