有吉弘行さんと言えば、歯に衣着せぬ物言いで人気を博している。時には毒舌ともいえる痛烈な批判もするが、3月8日放送の「有吉&マツコの怒り新党」(テレビ朝日系)での発言には、ネットから賛同の声が上がっていた。
出前の器を洗わない、食べ残しもそのままの客にブチ切れ
番組で紹介されたのは、宅配寿司の配達アルバイトをしている56歳男性の声だ。なんでも、寿司桶を洗わないで返す人が多いことに戸惑っているという。
「独り暮らしの学生とかならまだ理解もできますが、子供のいる家族でも平気でそのまま返してきます。しかも、食べ残しの食材やゴミまでそのままです」
とこぼす男性に、「どういうつもりなんだろう。昔の人ってみんな洗って返してたよね」とマツコ氏も嘆きを見せる。
さらに、10代から60代の男女500人に聞いたアンケートで、24%が出前の器を洗わず返していると判明。洗わない人たちの「俺の仕事じゃない」「洗う料金をもらっていない」という理由に、有吉氏の堪忍袋の緒が切れた。
「出た!客が偉いパターン!『お客様は神様です』お前が言うな。それはお店側が言うんだ。客が言うなよ。『私は神様だ』って、頭おかしいだろ」
と、勢いは止まらない。
「お客様は神様」の「お客様」は本来、一般的な商売の顧客は含まない
ツイッター上ではこの発言に賛同の声が相次いだ。
「素晴らしすぎる…本当にそれよ…」
「『お客様は神様だから俺様は神様』的なことを言う奴は間違いなく疫病神または貧乏神。どちらにしろ邪神」
一方で、地域によっては洗わずに返すことがマナーになっているところもあるようで、洗わず返す人が必ずしも悪いとは言えないようだ。
実はこの「お客様は神様だ」という言葉、本来の意味とは異なる用法で使われている。元は歌手の三波春夫氏が、歌う時の心境を語ったもので、オフィシャルサイトにもこう書いてある。
「このフレーズについては、三波本人の真意とは違う意味に捉えられたり使われたりしていることが多くございます」
「三波春夫にとっての『お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。三波が言う『お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません」
一般的な商売において、特にクレーマーが「お客なのだから何をやってもいいだろう」という態度でこの言葉を使うことには、快く思っていない様子だ。
いずれにせよ、お客様を神様ととらえるのはサービスの提供者側であり、お客自らが使う言葉ではない。それでもなお「自分は客だ」と言い張る神様には、周囲から冷ややかな目線が送られていることに気付いてほしいものである。