マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが、2017年型のパワーユニットは「パワーもなく信頼性もない」と言い、いま唯一の懸念はパワーユニットであるとの考えを示した。
今年のプレシーズンテストではホンダのパワーユニットにトラブルが連発、第2回テスト初日にもパワーユニットが交換された。
テスト2日目を担当したアロンソは、水漏れのトラブルやプログラムの関係で46周の周回にとどまり、1分23秒041で14人中12位となった。
苦境から抜け出せずにいるマクラーレン・ホンダの現状について聞かれ、アロンソは「シャシーに関しては、他と比べてそれほどひどく劣っているとは思わない」と語った。
「問題はひとつだけ。パワーユニットだ」
「信頼性がなくパワーもない。ストレートでは(他のマシンより)30km/h遅い。ストレートでは毎回だ」
「すべてのストレートで30km/h遅い状態では、マシンの感触をつかむのは難しい」
「すべていい感じだけど、普通のスピードに達したときに何が起こるのかは分からない」
4社のパワーユニットを搭載するマシンが8日にスピードトラップで記録した数値は以下のとおりだ。
メルセデス(バルテリ・ボッタス)338.5km/h
レッドブル・ルノー(マックス・フェルスタッペン)331.2km/h
フェラーリ(キミ・ライコネン)327.2km/h
マクラーレン・ホンダ(フェルナンド・アロンソ)312.1km/h
アロンソは、パワーユニットの状況は2015年ほど悪くはないものの、テクニカルレギュレーションが大きく変わった今年をチャンスととらえていただけに残念だと語った。
「去年と同じような感じだ。2015年は今よりもっと遅れをとっていたと思う」とアロンソ。
「でも今年の方が少し悔しい。レギュレーションが変更されることで、冬の間に上位とのギャップを縮めることができるという大きな期待を抱いていたからだ」
「なんとしても改善する必要がある。今の状況は理想から程遠い。僕らはビッグチームだ。マクラーレンは長年このスポーツを支配し、タイトル争いをしてきたチームなんだ」
「全員がこの状況にきちんと反応しなければならない。団結し、協力し合って取り組んでいく必要がある」
「チームは早急に大きな行動を起こすはずだ」
テスト初日にオイルタンクのデザインに関連する問題が発生したことについて、起こってはならないトラブルだったとアロンソは述べた。
「あの日オイルタンクの問題が起きたけど、あれはアマチュアの問題だ」とアロンソ。
しかしパワーユニットに関する最大の懸念は、信頼性よりも、今後パワーの面でどれだけ向上するのかという点であると、アロンソは考えている。
「僕らは初日から、パワーについて、信頼性について、どういう状況なのかを解き明かしてきている」
「周回を重ねれば、いろいろな発見がある。リヤキャリパーの温度とかボディワークとか、そういったことについてね。普通は、冬季テストの初日や2日目にそういうことを見つける」
「でも僕らは毎日40周ぐらいしか走っていないから、まだ他のチームの2日目の段階にいるようなものだ」
「今は小さなことを発見しているところだ。オーストラリアに向けて心配するようなことはないと思う」
「高いレベルで戦うための準備をしっかり整えることができるだろう。ひとつ分からないのは、どのぐらいのパワーを出せるのかということだ」
バルセロナのターン3を全開で抜けることができるかという問いに対し、アロンソは笑顔で「ああ、僕らはターン3だけじゃなくてほとんどすべてのコーナーを全開で走っているよ」と冗談を言った。