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WEC:LMP1のハイブリッド縮小はトヨタ撤退の引き金? 「ハイブリッドこそ参戦の理由」

2017年03月08日 11:10  AUTOSPORT web

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LMP1-Hからハイブリッド技術が縮小された場合、トヨタが活動を終了する可能性もある
WEC世界耐久選手権のLMP1クラスで、ハイブリッド技術開発を妨げるようなレギュレーション変更がおこなれた場合、トヨタはシリーズから撤退する可能性がある。

 トヨタ・モータースポーツGmbHのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、トヨタがWECに求めているのはレース環境でのエネルギー回生システム開発であり、それを阻害するようなレギュレーションはトヨタのWECへの関与を妨げることになり得ると述べた。

「トヨタにとって、WECに参戦する一番の理由はハイブリッドに特化した技術開発にあり、それに逆行するような状況を受け入れることはほぼ不可能だ」とバセロン。

「ハイブリッド技術の研究こそが、WECプログラムが存在する理由なんだ」

 現時点で、トヨタは2017年以降もWECへ継続参戦するかは明らかにしていないものの、バセロンは「(プログラムの)終わりは決まっていない」とも語っている。

 一連のコメントは、2019年までLMP1-Hのレギュレーションが凍結されたこと、そして2020年以降の新たなレギュレーションに関する議論がまもなく開始されることを受けてのもの。

 レギュレーションに関する議論については、FIAやACOフランス西部自動車クラブ主導で実施。議論される内容も幅広く、LMP1に新たなマニュファクチャラーを招くことを目的にコストを大幅に削減することに主眼が置かれている。

 ACOのスポーティングディレクター、ビンセント・ボーメニルは次のように語っている。

「何ひとつ合意に至っていないし、決定もされていない。2020年に大幅なコスト削減を実現するために、あらゆる可能性を討論したい」

 シリーズ参戦を目指している自動車メーカーとしては、プジョーがLMP1参戦に関心があると表明しているが、以前から大胆なコストカットが行われた場合に限ると明言している。

 仮にLMP1-Hのハイブリッド関連技術が縮小された場合、エネルギー回生システムの搭載数が1基に削減され、1周あたりに放出できるエネルギー量も減少するとみられる。

 2020年以降のレギュレーション策定にはトヨタとポルシェも関与しており、バセロンによれば「誰もが戦いたいと思い、かつ拮抗したバトルが繰り広げられるような方法を探すこと」が任務だと言う。

 当初、今シーズンから導入される予定だった新レギュレーションでは、1周あたりに使用できる燃料の増加や、年間のエンジン使用数上限の撤廃などが盛り込まれていた。

 しかし、昨年限りでアウディがWECでの活動を終了したことに加え、継続参戦するトヨタ、ポルシェの開発経費削減を目的に導入が見送られている。