周回遅れから巻き返し3位でフィニッシュしたマット・ケンゼス(#20) 2017年3月7日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第2戦アトランタ
マット・ケンゼスが巻き返し3位フィニッシュ
エクスフィニティとトラックでは今季初勝利
NASCARはアトランタで3シリーズの第2戦が行われた。カップ・シリーズでは序盤周回遅れになったマット・ケンゼスが終盤巻き返し3位フィニッシュ。
エクスフィニティ・シリーズではカイル・ブッシュが今季初勝利を挙げた。トラック・シリーズではクリストファー・ベルが3ステージ全てを制覇し完全勝利を成し遂げた。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第2戦 Folds of Honor QuikTrip 500
マット・ケンゼスが巻き返し3位フィニッシュ
3月5日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第2戦「Folds of Honor QuikTrip 500」が開催された。
アトランタは2008年、カイル・ブッシュがトヨタに最高峰カップ・シリーズでの初勝利をもたらした、トヨタにとって記念すべきコース。開幕戦デイトナではトヨタの有力車両が次々に多重クラッシュに巻き込まれるという不運に見舞われただけに、第2戦となるアトランタでは雪辱を目指し臨んだ。
5日(日)午後2時49分、1.54マイルオーバルを85周、85周、155周の3ステージ計325周(500.5マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
予選でトヨタ勢最上位の3番手につけたカイル・ブッシュはハンドリングの不調に苦しみ徐々にポジションダウン。9、10番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.とデニー・ハムリンがトップ10圏内での走行を続け、ステージ1はトゥルーエクス・Jr.が5位、ハムリンが8位でポイント獲得を果たした。
ステージ2もこの2台がトヨタ勢をリードしたが、ハムリンは60周目に異常振動に見舞われ予定外のピットイン。ガレージでの長い修復を余儀なくされてしまった(クラッシュによるものでは無いため修復後コース復帰可)。
ステージ2でも好調なトゥルーエクス・Jr.が4位。チームメイトの20歳ルーキー、エリック・ジョーンズが8位へとポジションを上げステージポイントを獲得した。
ここまでトップ5圏内をキープしてきたトゥルーエクス・Jr.だったが、211周目にグリーンフラッグ下でのピットインを行った際、クラッチトラブルに見舞われ、加えてスピード違反のペナルティ。周回遅れとなってしまった。
今大会はレースの4分の3にあたる240周目まで波乱のない展開となり、この時点で首位と同一周回はわずか12台。周回遅れとなってしまったものの、13位で追うトゥルーエクス・Jr.は、実質この日初めてとなる240周目のイエローコーションで“ラッキー・ドッグ”(コーション発生時周回遅れの最上位車両が1周取り戻せる救済措置)を獲得し、首位と同一周回に復帰した。
また、ステージ1の間に2度にわたってピットロードスピード違反を取られ、一時は30位以下と大きく順位を落としていたマット・ケンゼスも263周目のイエローコーションで“ラッキー・ドッグ”獲得。レース終盤へ向け追い上げを開始した。
残り16周というところでコース上にストップした車両によりイエローコーション発生。一斉にピットへ向かうと、5位につけていたケンゼスはピットの素晴らしい作業に助けられ2位に浮上。再スタートでひとつポジションを落としたもの、浮き沈みの激しいレースで巻き返しを果たし、3位でチェッカーを受けた。
クラッチトラブルのため、ピットアウトのたびにクルーに押されながら発進するなど厳しい後半戦を戦ったトゥルーエクス・Jr.も速さを見せ8位でフィニッシュ。エリック・ジョーンズは厳しいレースを最後まで首位と同一周回で着実に走り抜き、ルーキー最上位となる14位でチェッカーを受けた。
次戦第3戦は3月12日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー マット・ケンゼス
「我々の“トヨタ・カムリ”は本当に速かった。ただ、ピットロードで2度にわたってスピード違反を取られてしまい、後方からの追い上げを強いられた」
「その後は慎重なピットでの走行を心掛けながら追い上げを狙い、なんとか果たせた。(最後の再スタートで)アウト側ラインからの再スタートは不利だったが、今日圧倒的に強かったケビン(ハービック:シボレー)を抜くためにはそれしか無かった。しかし、最終的には前の2台に対しては為す術がなかった」
NASCAR XFINITY SERIES
第2戦 Rinnai 250
カイル・ブッシュが今季初勝利!
3月4日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第2戦「Rinnai 250」がアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
今大会は、今季初のシーズンフル参戦となる20歳のマット・ティフトに加え、カップ・ドライバーのカイル・ブッシュとデニー・ハムリンがスポットで出場した。
4日(土)午後2時17分、1.54マイルオーバルを40周、40周、83周の3ステージ計163周(251.02マイル:約400km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュはライバルの先行を許し2位に後退するも、5番手、7番手スタートのハムリンとティフトもポジションを上げ、3台の“トヨタ・カムリ”がトップ5争いを展開。ステージ1はカイル・ブッシュが2位、ハムリンが4位、ティフトが11位で終えた。
ステージ2以降も数多く出場しているカップ・シリーズのトップドライバーによる上位争いが展開。ステージ2はカイル・ブッシュが3位、ハムリンが5位で終えたが、ステージ3の116周目、ピットアウトまもないハムリンが右リアタイヤのバーストに見舞われスピン。これで2周遅れとなり、上位争いからは脱落してしまった。
カイル・ブッシュは2位、3位あたりをキープし首位奪還のチャンスをうかがっていたが、残り21周でこの日3度目のイエローコーションが出されると、ピット作業で首位に浮上。
再スタートも決めたカイル・ブッシュはそのまま逃げ切り、今季初勝利を挙げた。カイル・ブッシュは昨年に続き、エクスフィニティ・シリーズのアトランタ戦で2年連続勝利。また、この勝利でカイル・ブッシュは、自身の持つシリーズでの通算勝利記録を87へと伸ばすこととなった。
ティフトは自身初めてレースを戦ったアトランタで12位と着実なフィニッシュを果たした。
次戦第3戦は3月11日(土)、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々の“トヨタ・カムリ”はレース序盤から中盤にかけて、絶好調とは言えない状態だったが、クルーチーフとピットクルーがレースを通して調整を続けてくれた」
「おかげで最後は素晴らしい仕上がりだった。ここヴィクトリーレーンに上ることができて彼らの仕事ぶりを改めて誇りに思う。2年連続勝利はとても良い気分だ。トヨタやTRD-USA、そしてチームの、ハードワークで支えてくれた全員に感謝する」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第2戦 Active Pest Control 200
クリストファー・ベルが全ステージ制覇の完全勝利!
“トヨタ・タンドラ”1-2フィニッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第2戦「Active Pest Control 200」が3月4日(土)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
この週末、アトランタではNASCARのトップ3シリーズ全てが行われたが、特にこの土曜日は昼からのエクスフィニティ戦に続き、すぐにトラック戦が行われるというダブルヘッダー開催。
唯一3シリーズ全てのレースに出場するカイル・ブッシュは、直前に行われたエクスフィニティ・シリーズで今季初の勝利を飾っており、慌ただしくヴィクトリーレーンからトラックのレースへと向かった。
カイル・ブッシュは自身が2010年のブリストルで史上初めて果たした週末3シリーズ完全制覇を再び成し遂げるべく今大会に臨んだ。
4日(土)、エクスフィニティ・シリーズのゴールから僅か45分程しか経っていない午後5時1分に、1.54マイルオーバルを40周、40周、50周の3ステージ計130周(200.2マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
自身初のポールポジションからスタートを切ったクリストファー・ベルは、チームオーナーでもある2番手スタートのカイル・ブッシュを序盤からぐんぐん引き離し独走。一時はその差は3秒以上に。
イエローコーションもあり独走状態は続かなかったものの、ベルは首位を守ってステージ1を制覇。カイル・ブッシュが2位、2度のシリーズチャンピオン経験者であるマット・クラフトンが3位、ベン・ローズが4位と“トヨタ・タンドラ”が上位を独占した。
ステージ2でもベルが首位を独走。カイル・ブッシュはピットでポジションを落とし、追い上げたがベルには届かず。ステージ2もベルが勝利。カイル・ブッシュが2位。ローズ、ティモシー・ピーターズ、クラフトンと続き、ステージ2も“トヨタ・タンドラ”が圧倒的な強さを見せた。
ステージ3では、再スタート前のピット作業で首位に立ったカイル・ブッシュが25周にわたって首位を快走。ベルはステージ序盤トラブルでペースが落ちたものの、残り18周で切られた再スタートでは、5位から一気に首位を奪還。
その後方では、カイル・ブッシュがタイヤバーストに見舞われ壁にヒット。しかし、イエローコーションは出ず、カイル・ブッシュは大きく順位を落としてしまった。
レースは残り6周というところでイエローコーション。最後の2周での勝負となった。最前列イン側にベル、アウト側にクラフトンが並び、どちらも一歩も譲らないままのつばぜり合いが続いたが、ダーン3からターン4にかけてベルがわずかに先行。するとその後は2位以下を引き離して行き、トップチェッカー。ベルが今季初勝利を挙げた。
ベルは130周のうち99周で首位を走行。ステージ1、ステージ2も制しており、今季より採用されたステージ制のレースで、3シリーズ中初めて、3ステージ全てを制しての勝利となった。クラフトンが2位で続き“トヨタ・タンドラ”は1-2フィニッシュを果たした。
次戦第3戦は4月1日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催される。
ドライバー クリストファー・ベル:
「(最後の再スタートでは)上手く勢いに乗れるように、とにかく良いスタートを切ることだけに集中していた。このようなレースでは、空力的な影響が大きいため、再スタートが非常に難しい。勢いに乗れれば良いが、そうでないと一気に集団から引き離されてしまう」
「私自身もレース中盤にそのような状況になった。しかし、クルーチーフとピットクルーが素晴らしい仕事で対処してくれた。我々は週末を通して本当に速かった。夢のような“トヨタ・タンドラ”でレースを戦い、ヴィクトリーレーンに立つことができて本当に嬉しい」