企業説明会や面接で、担当者から「あなたは営業に向いていると思う」と言われたことはないだろうか。営業畑を歩んできたなら納得だが、デスクワークなど他職種の経験しかない場合、どのようにとらえていいか悩むところだ。
2ちゃんねるでは3月4日、「企業説明会行ったら『絶対営業向いてるよ』って言われたんやが」というスレッドが立った。スレ主は中途採用の企業説明会に参加した際、担当者から営業職が向いていると言われたが対応に困惑し、
「めちゃくちゃ長く話しこんで名刺渡された 面接行くべきやろか? 」
と疑問を投げかけた。
「その日会っただけで向き不向きわかるわけないやろ」
スレ主は企業担当者に会ってすぐに、現職が営業かどうかを聞かれた。「違う」と答えたが、担当者からは「コミュニケーション能力がすごい」などと褒められ、「営業に向いている」と言われるに至ったようだ。たった数秒間の挨拶でどう判断したのだろうか。なんとも怪しげだ。
スレッドに転職面接で似たような経験をしたという人もいた。しかし、その会社は人を怒鳴り散らすような「完全に体育会系のブラック」だったという。企業の体育会系の雰囲気に耐えられそうな候補者であれば「営業に向いている」と言うのだろうか。
スレッドでは、7回の転職を経験したという人物が、「やめとけ 営業は誰でも声かける」と警告していた。ほかにも企業からの「営業に向いている」という言葉はトラップだと言わんばかりの意見が寄せられている。
「それがまさに営業トークやぞ」
「相手をまず褒めるのは営業の常套手段やで その日会っただけで向き不向きわかるわけないやろ
「営業向いてるって褒め言葉ちゃうぞ 扱いやすくて馬鹿っぽくて体育会系の思考なら大抵言われる」
一方で「そこで『そっかぁ俺は営業むいてるんだ!』と思える奴は確かにむいてると思う」という投稿もあった。これに対してスレ主は、「ワイやね」と返答しており、まんざらでもない様子だ。果たして面接を受けに行ったのだろうか。
営業職にも様々な種類がある「無責任な評価を信用しない」ことが大切
似たような話はネット上にほかにもあった。2014年にヤフー知恵袋に寄せられた相談には、「営業が向いている」という発言の意図として本当に営業に向いている場合のほかに、
「イレギュラーな状態に、どう反応するのかを見たくて、あえて、そう言う場合がある」
という回答があった。たしかに、まだ志望度がそれほど高くないのに、いきなりそんなことを言われて困る、という人もいるだろう。困っときの対応力を見るにはいいかもしれない。
また、教えて!gooに2010年に寄せられた同様の相談でも、「あまり周りの無責任な評価を信用しないことです」と、釘を刺す意見が見られた。
営業職と一言で言っても、新規開拓、ルート営業、内勤営業、海外営業など様々な種類があり、求められるスキルや人間性はまちまちだ。前述の回答にあるように、「営業に向いている」の言葉を真に受けてしまうのは危険だろう。