トップへ

「タイトル獲得のために来日した」スーパーフォーミュラの注目ルーキー3名が意気込み語る

2017年03月06日 20:42  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

第1回目の合同テストで会見を行ったルーキー3名
3月6日から全日本スーパーフォーミュラ選手権の2017年第1回目となる公式合同テストが鈴鹿サーキットでスタートしたが、1日目午前のテストセッション終了後、2017年から参戦する外国人ドライバー、フェリックス・ロゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のルーキー3名が、JRP日本レースプロモーション主催のマンデーミーティングに出席し、スーパーフォーミュラのファーストインプレッションと、今シーズンにかける意気込みを語った。

■「鈴鹿でレースをするのは夢のひとつだった」マカオ2度制覇のロゼンクビストが意気込みを語る
 15年のヨーロピアンF3でタイトルを獲得し、14~15年のF3マカオGPを制しているフェリックス・ロゼンクビストは2017年、SUNOCO TEAM LEMANSからスーパーフォーミュラに初参戦することになった。

 F3やインディライツなどミドルフォーミュラの経験が豊富なロゼンクビストは、スーパーフォーミュラ初ドライブの感想を聞かれると「前日1時間は走行していたけど、今日の午前中のセッションで初めて本格的にドライブしたんだ。ものすごく速いクルマだということが最初の印象だね。Gフォースもダウンフォースも、僕がこれまで経験したことのないようなレベルだよ」と印象を語った。

「そんなクルマを、子どもの頃からF1の中継などを通じて憧れ続けていた鈴鹿サーキットでドライブできることは本当に嬉しいし、夢のひとつが叶った気分だ。参戦が決まってワクワクしているよ」

 多くのカテゴリーでレースをしているロゼンクビストだが、日本で戦うのは初めてのこと。「来日するにあたって、僕のマネージャーでもある元F1ドライバーのステファン・ヨハンソンや、マーカス・エリクソン、スーパーGTに参戦するビヨン・ビルドハイムにもアドバイスをもらったんだ」と同郷の先輩たちからアドバイスをもらったという。

 そしてやってきた日本だが、「5日のモータースポーツファン感謝デーでも、多くの人からサインや写真を求められ良い意味で驚いたよ。モータースポーツに関わる者として、とても名誉なことだね」とロゼンクビスト。

「日本には、僕のことをずっと応援し続けてくれているファンまでいた。マカオで残したような成績をスーパーフォーミュラでも実現すると嬉しい。ファンのためにも、ベストを尽くしてしっかりと戦っていくつもりだ」

■「2位や3位は望んでいない。タイトル獲得のために来日した」F1昇格を目指すガスリー
 一方、2016年のGP2チャンピオンに輝いたガスリーは、レッドブルカラーとともにTEAM無限から参戦。15年にGP2王座を獲得し、16年にSFに参戦したストフェル・バンドーンの後を追うかたちで日本にやってきた。

 レッドブルF1の育成ドライバーを務め、将来を嘱望されているガスリーはスーパーフォーミュラの印象について「フェリックス(ロゼンクビスト)が言うように、グリップ力とダウンフォースが強力な、とても素晴らしいクルマだね。また、歴史ある鈴鹿サーキットでレースができるということに対しても、すごくエキサイティングだ」と語る。

「5日の(モータースポーツファン感謝デー内のイベントとして行われた)公開テストではあまり走り込めなかったから、今日からのテストで、マシンやタイヤなどさまざまなことに対する経験を積みたい。開幕に向け、これからのテストであらゆることを段階的に学び、ベストを尽くすつもりだ」

 ちなみに今回の来日にあたっては、バンドーンに加えて、フランスの先輩ドライバーであるロイック・デュバルからアドバイスを受けたという。「ロイックは日本のレースで多くの成功を収めてきた先輩ドライバーで、今回スーパーフォーミュラに参戦することに関して電話で相談したんだ。スーパーフォーミュラのことだけでなく、日本での生活についても多くの助言をくれたよ」と述べた。

 最後に意気込みを聞かれたガスリーは「スーパーフォーミュラは経験豊富なドライバーが多いから、僕たちルーキーは懸命に努力しないと、良いリザルトは望めないということは分かっている」と語った。

「もちろんひとりのドライバーとして、2位や3位、あるいはトップ5を目指して走るわけじゃない。当然、タイトルを獲得するために来日しているし、そのため(トップ争い)の努力を惜しむつもりはない。開幕するまでにできるだけ多くのことを吸収して、結果につなげたい。それがいまの目標だよ」と語った。

■『グランツーリスモ』出身ドライバーがSFデビュー。マーデンボローの意気込み
 一方、今季TEAM IMPULからSFにデビューするマーデンボローは、16年に来日し全日本F3選手権とスーパーGT300クラスに参戦。全日本F3でランキング2位を獲得し、スーパーフォーミュラ参戦を果たした。

 ゲーム『グランツーリスモ』とニッサンがコラボレーションした『GTアカデミー』出身のマーデンボローは、合同テスト1日目午前のセッションについて「午前中のセッションは自分のミスでクラッシュしてしまったけど、クルマには慣れてきたし、良い感じだよ」と、クラッシュは喫したものの、クルマに対して好感触を得ているという。

「午後からのセッションと、7日以降に予定されているテストで改善を重ねていきたい。チームメイト(関口雄飛)の調子は良さそうだから、クルマの出来には期待がもてるね」

「日本のファンのみんなとサインをしたり、写真を撮ったりすることは大好きなんだ。スーパーフォーミュラでもファンのみんなが楽しめ、喜んでもらえるようなレースするためにベストを尽くしたい」

 このマーデンボロー、そしてガスリー、ロゼンクビストの3名とも、世界が注目するドライバーたちだ。JRP関係者も参戦メーカーも彼らの走りについて「楽しみ」と口を揃えている。今季のスーパーフォーミュラでも注目のポイントのひとつだろう。