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WEC:ポルシェ、開幕戦に投入するエアロキットの種類を明言せず。トヨタを揺さぶり

2017年03月06日 17:22  AUTOSPORT web

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スペイン・アラゴンでテストを行った暫定仕様の2017年型ポルシェ919ハイブリッド
WEC世界耐久選手権に参戦するポルシェは4月16日に迫った第1戦シルバーストンへ、ハイダウンフォース仕様とローダウンフォース仕様、どちらのエアロキットを投入するか明言しなかった。

 WECではサーキットの特性にあわせ、2種類のエアロキットを選択できる。開幕前シルバーストンではハイダウンフォース仕様を使う方がタイムが出るが、シリーズの天王山であるル・マン24時間耐久レースではローダウンフォース仕様のほうが戦闘力が高い。

 ポルシェとWEC総合優勝を争うトヨタは、開幕戦ではハイダウンフォース仕様のエアロキットを投入すると明言。トヨタ・モータースポーツGmbHのパスカル・バセロンも「シルバーストンにローダウンフォースパッケージで臨めば、苦戦を強いられることは間違いない」と理由を説明している。

 しかし、ポルシェのチームプリンシパル、アンドレアス・ザイドルは「シルバーストンでのお楽しみだ」と述べるに留まった。
■両陣営が探りあい。ポイントはエアロキットのホモロゲーション

 このエアロキットは、ハイダウンフォース/ローダウンフォースとも、投入初戦でホモロゲーションが行われ、以降は開発が凍結される見込み。そのためトヨタは開幕戦以降はハイダウンフォース仕様のエアロキットにリソースは割かず、ローダウンフォース仕様の開発へ注力することになる。

 一方のポルシェもローダウンフォース仕様の開発にリソースを割いているとみられるものの、開幕戦で使用するタイプを明言しないことでトヨタを揺さぶる思惑があるようだ。

 なお、ポルシェはWEC復帰初年度の2014年開幕戦にはローダウンフォース仕様を投入。15~16年はハイダウンフォース仕様で戦っている。

 今季のWECはコスト削減の一環で、従来3種類だったエアロキットを2種類に限定。また、空力パーツ開発に欠かせない風洞の稼働時間にも上限が設けられている。