TCRシリーズは3月1~2日、イタリアのアドリア・インターナショナル・レースウェイとグルリアスコにあるピニンファリーナの風洞施設で、2017年シーズンへ向けたBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)テストを実施した。
TCRは世界中で人気を博している新たなツーリングカー・カテゴリー。同シリーズではFIA-GT3などでおなじみのBoPシステムを採用しており、各マシンの性能を画一化。激しいバトルを演出している。
そのBoPシステムの根幹として、このBoPテストは行われている。今年はアウディやアルファロメオなど全10ブランド、12台のマシンが集結した。なお、当初参加する予定だったフォード・フォーカスについてはオランダでの通関にトラブルがあり、参加できていない。
テストには各メーカーのワークスドライバーがセットアップを済ませた状態のマシンが持ち込まれ、これをシリーズ側がレギュレーション上の最低重量である1285kgに調整。テスト初日はニコラ・ラリーニ、アンドレア・ベルッチによる走行テストが行われた。
テスト2日目は各マシンの空力パフォーマンスを測定するために、ホームストレート上でリフト・アンド・コーストテストが行われたほか、ダイナモ上でエンジン出力やトルク、ブースト圧などの測定も行われた。
走行テストを終えたマシンたちは、サーキットを離れピニンファリーナ風洞施設に移動。ここでドラッグや揚力係数なども計測されている。
今後、シリーズ側は集めたデータを集計・解析し、3月中旬までに各マシンのBoPを決定。世界各地で開催されているTCRの現地プロモーターに情報が伝えられる予定だ。
また、このテストに合わせて、15のTCR現地プロモーターがアドリアに集結。レギュレーションに関する話し合いが行われた。
このなかで、現行の車両ホモロゲーションを2019年まで維持することが決定されたほか、シーズン中に使用できるエンジンは1基のみとし、シーズン中にエンジン交換を行った場合、グリッド降格ペナルティを課すこと、特認で選手権へ参戦している車両にはポイントを付与しないことなどが決定されている。