新設のRXチーム・ハンガリーは今季のWorldRX世界ラリークロス選手権に『キア・リオ・スーパーカー』を投入すると発表。そのドライバーに、ハンガリー人のルカック・コーネルと、元WRCミツビシ・ワークスのスタードライバーとして知られるイタリア人、ジジ・ガリを起用する。
かつてWRカー移行時代のWRC世界ラリー選手権で『ランサーWRC05』などをドライブし、その華やかなドライビングスタイルで一躍スターとなったガリ。
本名のジャンルイジではなく、幼い頃からの愛称である“ジジ”を登録名として用いるなど、その親しみやすい個性も人気だった。
近年は散発的にラリークロス・イベントに参戦。自らのチームで製作した韓国・起亜自動車のリオをベースとした、ラリークロス向けスーパーカーの開発を兼ねて昨季のWorldRXラトビア戦とドイツ戦にもエントリーしていた。
この自らのプロジェクトに、今季はチームマネージャーとしてステファノ・ファボーロ、テクニカルスポーツ・ディレクターにDIGIスポーツのバラス・チェレニーを迎え入れ、RXチーム・ハンガリーとして再始動。そのチームメイトに、ヨーロピアン・ラリークロスを中心に戦っていたコーネルを起用した。
コーネルは昨年までガリがドライブしていたキア・リオを使用して開幕戦からエントリー。ガリは新たに2台目のリオを製作し、開幕戦のバルセロナと第2戦のポルトガルをスキップ。5月の第3戦ドイツ・ホッケンハイム、またはベルギー戦からのエントリーを目指すという。
「昨年のラトビアでジジと話を始めたんだ。その最初の瞬間から、彼はとても好意的でフレンドリーだった」と語るのは、自らも“チュチュ”の愛称を持つコーネル。
「僕が子供の頃から見て憧れていたドライバーが目の前に座っていて、将来自分のチームメイトになる可能性があるということに感動した。正直言葉が見つからないほどだったよ」
一方、2014年から続けてきた散発的なラリークロスのプロジェクトを拡大することとなったガリは「ルカックが、この新たなチャレンジでのチームメイトになってくれて光栄だ」と語る。
「彼のモチベーションとラリークロスへの献身的な姿勢は、私が初めて会ったときからとても印象的だった。彼の人格と個性は、僕やチーム全体にモチベーションをもたらしてくれるだろうし、それぞれがベストを尽くすのに欠かせない要素として機能するだろう」
また、フランスを拠点とするDAレーシング・ユーロデータカーも、プジョー208スーパーカーの2台体制でのエントリーを表明。
16、17年のアンドロス・トロフィー勝者であり、チーム創設者のジャン-バティスト・デボンと、元WTCCドライバーのグレゴール・デモスターがステアリングを握る予定となっている。