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ロス・ブラウン、F1のシャークフィン再来に失望。DRSも将来的には廃止の可能性も

2017年03月06日 15:32  AUTOSPORT web

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フェラーリの新車『SF70H』のシャークフィンとTウイング
F1の新たなモータースポーツ担当マネージングディレクターに就任したロス・ブラウンは、2017年型マシンに装着された悪評高いシャークフィン再来は新規定の「予想外の影響」であり、何かしらの取り組みが必要だと考えている。

 ブラウンは、旧世代と比較すると新車のパフォーマンスは望みどおりだったと言うが、シャークフィンの再来とTウイングの登場を残念に思っていることを認めた。

「新たなレギュレーションと新しいマシンが、どのようなパフォーマンスを発揮し、どういった影響をもたらすかに注目するべきだ。レースカーとしての見た目は、より刺激的になった。マシンのプロポーションはかなり改善されている。速さが増し、パフォーマンスも相当に印象的だ。ドライバーは身体的に大変だと話していて、これこそが求められていたものだ」

「新しいレギュレーションにはつきものの、小さな問題が少しある。悪評高いシャークフィンが装着されている。これについての取り組みが、ゆくゆくは必要だと思う。新レギュレーションの目的のひとつは、より刺激的な外観のマシンを作り上げることだった。些細なことで、その目的を損ないたくないのだ」

 Tウイングについても、以下のように意見を述べている。

「新規則が、予想外の影響をもたらした結果だ。こういった意図せぬ問題は時間をかけながら解決し、純粋な形にしていく必要がある。シーズンが開幕したら、現状のタイヤやレギュレーション、ドライバーが互いに競い合えているかという部分も観察しなければならない。いまのところ、この部分に関しては自由に議論ができる状態にあり、大切な要素になっている」

「マシンからの観点では(レギュレーションが)安定していることが重要なので、大幅な変更が加わることはない」

 ブラウンはオーバーテイクについての詳しい調査を行えば、DRS(ドラッグ抑制システム)も不要になると言う。

「レースでのオーバーテイクに関する課題のすべてを調査する。たとえば、先行するマシンをどう追っていくのか、どう互いをオーバーテイクしているかなどだ。DRSのようなものによって強化するのではなく、普通のやり方で追い抜く方が好ましいと思う」

「しかし、当時はDRSが問題の解決策だったのだ。急いで取り除こうとしているわけではないが、私はマシンのデザイン面で長期的な解決策になり得るものを望んでいるので、必要ないと考えている」

 新たな役割のなかで、どういった変更を加えていくつもりかとの問いに、ブラウンは次のように答えた。

「レギュレーションに沿った手段で行っていきたい。我々が携わっていくことになる未来では、目的は非常に明確になっているべきだ。レギュレーションを変えるとしたら、その目的はなんだ? 目的を確実に達成できるような手段を確立していく。FOMのなかで、こういったものを評価するための、独自の地位を築くつもりだ」

「少人数のエンジニアのグループが、目的の達成を助けるためにチームと協力して取り組んでいく。レギュレーションの後ろ盾になるような、良いプロセスを作り上げたい」