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LVMH賞に台湾から初ノミネート 気鋭デザイナー「ANGUS CHIANG」とは?

2017年03月06日 10:04  Fashionsnap.com

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デザイナー アンガス・ジャン(ANGUS CHIANG) Image by: FASHIONSNAP
若手ファッションクリエーターの育成・支援を目的としたファッションコンテスト「LVMH Young Fashion Designers Prize(以下、LVMHプライズ)」のセミファイナルに、初めて台湾から「アンガス・ジャン(ANGUS CHIANG)」が選出された。台湾の現代カルチャーを取り入れたメンズブランドで、1月にはパリの合同展示会トラノイに出展し、2月にはロンドンファッションウィークに初参加してランウェイショー形式で新作の2017-18年秋冬コレクションを発表している。

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 アンガス・ジャンは、台湾実践大学の服装デザイン学科を2013年に卒業し、卒業コレクションがロンドンのグラデュエートファッションウィークでインターナショナルアワードを受賞。2015年にブランドを立ち上げ、2016年にはバンクーバーファッションウィークの招待で2回のショーを開催した。問屋街で知られる台北の迪化街に近い大同区に構えるアトリエは、白をベースにブランドカラーでもある蛍光オレンジが随所に配され、サンプル製作には充分な機材を整備。壁には玩具や小物が並び、ユニークな作風に通じるレトロでカラフルな世界が広がっている。
 ファーストコレクションの2016-17年秋冬コレクションは、冠婚葬祭などで登場する「電子花車」をモチーフに製作し、続く2017年春夏コレクションでは誕生日や結婚式を野外で祝う行事「辦桌(バンゾウ)」から着想し台湾ビールと協業するなど、自国の文化をデザインに落とし込む作風が特徴。ロンドンファッションウィークで発表された新作の2017-18年秋冬コレクションでは「プロムキングが恋に落ちる(Prom King and his flowers)」をテーマに、90年代アメリカのポップカルチャーに影響された台湾の学生たちの生活をイメージして製作したという。制服や学生用品をデザイン要素とし、ハートのモチーフがふんだんに取り入れられた。ブランドの立ち上げから2年目だがアイコニックな世界観を確立し、積極的に海外市場にアピールしている。
 2017年のLVMHプライズで世界各国から選ばれた21人のセミファイナルのうち、アジアからは4組がノミネート。台湾からの選出は開催以来初めてで、アンガス・ジャンのほか、日本から「アンブッシュ(AMBUSH)」のYOON、「サルバム(SULVAM)」の藤田哲平、「コウザブロウ(KOSABURO)」の赤坂公三郎、そして韓国から「BLINDNESS」のJiSun ParkとKyu Yong Shinのデザイナーデュオが選出された。パリで2日間のプレゼンテーションを終え、3月中旬にファイナリスト、そして5月にグランプリが決まる。
■ANGUS CHIANG:ロンドンで発表した2017-18年秋冬コレクション
■公式サイト