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スガ シカオ、デビュー20周年イベントで斉藤和義、トータス松本、浜崎貴司と“感無量”共演

2017年03月04日 16:03  リアルサウンド

リアルサウンド

写真=KAZUHARU IGARASHI

 スガ シカオが2月26日、舞浜アンフィシアターにて『スガフェス EXTRA ~アコギ侍の宴~』を開催した。同ライブは5月6日にさいたまスーパーアリーナで行なわれる『スガフェス!~20年に一度のミラクルフェス~』のキックオフイベント。舞浜アンフィシアター公演にはオープニングアクトに森広隆を迎え、斉藤和義、トータス松本、浜崎貴司が参加した。


 まずはオープニングアクトを務める森のライブからスタート。森は声量が際立つ「ただ時が経っただけで」やグルーヴィな「ゼロ地点」など4曲を歌い、開演前の会場を早くも盛り上げた。その後観客の拍手に出迎えられ、斉藤が登場。リラックスした様子でギターを手にし、「ずっと好きだった」を優しい歌声で披露した。「スガくん20周年おめでとう!」と当日にデビュー20周年を迎えたスガを祝うと、この日急遽楽屋で練習したというスガ率いるkōkuaの楽曲「Progress」を歌唱。さらに自身の新曲「遺伝」を歌い上げ、ステージを後にした。


 続いて飄々と現れたトータスは「不思議な雰囲気だね」と微笑むと、「笑えれば」「サムライソウル」をストレートな歌声で歌唱。MCでは「オレが常識人だから、スガくんみたいな奇天烈な人に憧れる」と発言して笑いを誘い、スガの「午後のパレード」を歌って会場を沸かせる。さらに「チークタイム」に続き、「東京ブギウギ」が原曲の「クリアアサヒ」CMソングも披露するなど、トータスらしい茶目っ気たっぷりのステージとなった。


 そして浜崎は「ウイスキーが、お好きでしょ」をワンコーラス歌唱し、そのまま「♂+♀(ボーイミーツガール)」で会場の緊張感を高めていく。スガが作詞を手がけた「夜空ノムコウ」と自身の曲「風の吹き抜ける場所へ ~Growin' Up Blowin' In The Wind~」のマッシュアップでは、伸びやかで深い歌声で会場中を魅了した。最後にスガをステージに呼び込むと、「幸せであるように」をコラボ。真っ直ぐで凛とした浜崎のボーカルにハスキーがかったスガの色気あるコーラスが重なる様子に、思わず聴きいってしまった。


 そしていよいよスガの出番へ。初期の名曲「バクダン・ジュース」、ライブ定番曲「19才」と自身の本質であるファンキーなサウンドで魅せていく。ステージから身を乗り出し、ギターをかき鳴らすスガの姿に会場はヒートアップ。


 その後「愛について」「海賊と黒い海」などバラードをしっとりと歌い上げ雰囲気を変えると、ウクレレを手に「(この曲を聴いて)1曲1曲恥じない曲を作っていこうと思った」というSUPER BUTTER DOG「サヨナラCOLOR」のカバーを披露。さらに「俺にとって一つの山となった曲」と熱い思いを語ると「Progress」を歌唱し、最後は観客のシンガロングとともに「午後のパレード」で締めくくった。


 アンコールではスガが斉藤、トータス、浜崎をステージに呼び込むと感謝の気持ちを述べ、「感無量です」と嬉しそうな表情に。スガのリクエストだという斉藤の「歩いて帰ろう」さらにウルフルズの「バンザイ~好きでよかった~」を4人でセッション。そして「このメンバーでは恒例になりつつある」というナンバー・沢田研二「勝手にしやがれ」のカバーでアンコールは幕を閉じた。ダブルアンコールにはスガが1人で登場し、「黄金の月」「ヒットチャートをかけぬけろ」とデビュー当初の楽曲を歌唱。鳴り止まぬ拍手の中、3時間に及ぶ公演が終了した。


 MCで「今日からまた新しいスタートだと思って、明日から頑張ります」と力強く語ったスガ。30歳でデビューしてから20年、妥協せずに様々な困難を一歩ずつ乗り越えてきたスガの書く曲は、前向きな言葉ばかりでなく時にドロドロした人間臭い思いがこもっており、幅広い世代を魅了し続けている。<ぼくのいやしき魂よ ヒットチャートをはしりぬけ>と歌うデビュー曲から、彼の音楽への闘志は変わっていないーーギター1本で魅せる圧巻のパフォーマンスからそう確信し、5月の『スガフェス!』への期待が高まった一夜だった。(取材・文=村上夏菜)