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“夏の鈴鹿”が2018年からGT3の10時間耐久レースに! SGTの鈴鹿戦は別日程に変更

2017年03月04日 13:22  AUTOSPORT web

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記者発表会で握手をかわすモビリティランド山下社長とSROモータースポーツグループ代表のステファン・ラテル
鈴鹿サーキットは3月4日、鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デー開催中に記者発表会を行い、SROモータースポーツグループ、GTアソシエイションとともに、2018年から8月の最終週に、『第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース(仮称)』という10時間レースを開催すると発表した。

 夏の風物詩と言えた鈴鹿1000kmが、2018年から大きな変貌を遂げることになった。1966年からスタートした伝統の耐久レースだった鈴鹿1000kmは、過去にBPR GTやFIA GTの一戦として開催された後、2006年からスーパーGTの一戦として行われてきたが、2018年からSRO、GTAとともに、「これまでの鈴鹿1000kmのコンセプトを継承した」新たなイベントを開催することになった。

■目指すはGTカーの世界統一戦
 イベント名称は、『第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース(仮称)』。第47回となっているのは、2017年までの鈴鹿1000kmの開催数を引き継ぐ数字だ。決勝は日曜の10時30分にスタートし、20時30分にチェッカーを受けるスケジュール。鈴鹿は周辺に住宅地もあり、周囲に配慮した時間設定となっている。

 記者会見に出席した山下晋モビリティランド社長いわく、このイベントは「世界中のGT3/GT300マシンが一堂に会し、世界一を決める夢のレース」となる。参戦可能カテゴリーは、ヨーロッパのブランパンGTやアメリカのIMSA GTD、ピレリワールドチャレンジ等世界中で活用されるFIA-GT3カー、そしてGTAとの協力により、JAF-GTを含むGT300車両、そしてスーパー耐久ST-X車両等が予定される。

 そして、世界中から多くのエントラントを集めるために、国内レースとしては破格とも言える総額1億円もの賞金が設定されている。この内訳は今後検討されることになるが、「良い成績を収めたチームが多く獲得できるようにしたい」と山下社長は語る。

 鈴鹿10時間がGT3のレースとなることで、気になるのは2016年から耐久のビッグイベントで構成されているインターコンチネンタルGTチャレンジの一戦にこのレースが加わるのかというところだが、SRO代表のステファン・ラテルは、「インターコンチネンタルGTチャレンジの一戦にするかどうかは、まだ時間もあることだし、検討している」という。

 今回、モビリティランドとGTAを通じてイベントに協力することになったラテルは「SROはモビリティランドが企画した新たな取り組みに心から賛同する」と語った。

「鈴鹿は歴史があるサーキットで、オーガナイズの面でも世界的に評価されており、世界一決定戦にふさわしい場所だと考えている。SROはこのイベントが価値ある大会になるよう、世界中のGT3レースのチャンピオンや、ブランパンGTのトップチームが参戦できるように協力したい」とラテル。

 山下社長は「世界的なGTシリーズの統一戦という夢のステージを、将来に向けてここ鈴鹿で発展させていくことを目的に、47回目を迎える真夏の耐久レースを、10時間耐久という新たな枠組みで開催することに致しました」と語った。

「私たちはこのイベントを地域全体で盛り上げ、観客、エントラント、関係するすべての皆さまにとって新たな価値を生み出す新しい夏の祭典として育てていきます」

■スーパーGTは別日程・別レース距離で開催へ
 気になるのは、鈴鹿1000kmが鈴鹿10時間耐久となることで、これまでのスーパーGTのレースがどうなるのかということだ。これについては、1000kmではないレース距離で、別日程での開催になるとしている。

「スーパーGTを鈴鹿でぜひ継続して開催したいと考えています」と山下社長。

「1000kmとは違うフォーマットで、GT500がより魅力を発揮できるフォーマットで開催したい。この詳細はGTA、エントラントの皆さんと調整して、2017年の1000kmまでには発表したいと思います」

 スーパーGTによる、そして1000kmというレース距離での夏の鈴鹿のレースは、2017年が最後になる。今後エントラントの動向や、スーパーGTの日程については大いに注目と言えるだろう。