ピレリは、バルセロナでテストしたF1ウエットタイヤのコンパウンドに改善の余地があったことを認め、できれば中国GPまでに改良型のコンパウンドの評価をしたいと述べた。
今季に向けて、ピレリにはウエットタイヤの特性を改善するというタスクが課せられていたが、今年からタイヤサイズが変更されたこともあって、その開発は例年以上に難しい仕事になった。
ウエットタイヤについては、1月にフェラーリがフィオラノで試したのに続き、バルセロナでも最終日の木曜にコースに水を撒いて、各チームが濡れた路面での走行を行っている。
一部のドライバーは、ピレリの新しいウエットが確実に進歩したと感じたようだ、しかし、同社のモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、シーズンの早い時期により良いタイヤを供給するために、すでに作業を開始していると語った。
「コンパウンドの作動温度領域を変える必要がある。フルウエットに関しては、いずれにしてもコンパウンドを変えるつもりだった。特に今年はセーフティカーが退去した後、スタンディングスタートが行われるので、コンパウンドの改良に取り組んでいた」
「それに加えて、昨シーズン中のコメントとして、ある程度の耐久性を持たせると、今度はドライバーが熱を入れられずに苦労するというものがあった。私たちはその問題の解決に取り組んできたのだが、今日はインターミディエイトの評価もあまり良くなかったようだ」
「それはタイヤの幅が広くなったことの影響だと思う。というのも、インターに関してはドライバーたちから、現状で十分に満足だから何も変えないでくれと言われていて、実際に何も変えていないからだ」
「だが、どうやらそれも、サイズ変更にあわせて改良する必要があることが分かった」
またヘンベリーは、レースによってコンパウンドの違うウエットタイヤを用意することも、可能性として考えられることを示唆した。
「2種類のウエットコンパウンドがあるといいのかもしれない。ひとつは比較的温度が高い時のウエットコンディション向け、そしてもうひとつは、シルバーストンやスパのようにかなり寒いコンディション向けとしてだ」
「まず、最初のコンパウンド変更として、中国までには何らかのものを用意できると思う」