メルセデスのルイス・ハミルトンは、ロス・ブラウンが提案した非選手権イベントで新フォーマットを試す案も含め、各グランプリでF1のレース形式を変更することに賛成している。
3度の世界チャンピオンであるハミルトンは、以前からレースウィークのフォーマット変更を望む発言をしており、ブラウンの考えを支持しているとのことだ。バルセロナでの合同テスト中、この件に関する意見を、記者団に対して次のように述べた。
「酷い案だなどとは思わない。F1には新しいフォーマットが間違いなく必要だ。この11年間、僕がF1でキャリアを始めてからというもの、木曜日から日曜日まではずっと同じ形式になっている」
「マシンのあり方や、オーバーテイクがしづらいデザインの方向性が維持されていることを考えると、別のレースを考え出す必要がある。一戦ごとに筋書きが変わるようなものとかね。モナコでは誰もオーバーテイクができないというのに、ただ同じフォーマットでレースをするわけにはいかない」
「何か趣向を変えて、違うことをする必要があるかもしれない。たとえば、スプリントレースにしてみるとか。どうなんだろうね。アイデアはたくさんあるけれど、それを共有するつもりはないよ」
ハミルトンは、F1の新オーナーとなったリバティ・メディアが選手権の魅力を向上させるために、改革を試みていることを喜ばしく思っている。
「彼らが新しいアイデアを持っているということが素晴らしい。世界的な成功という部分を見ると、F1はそのポテンシャルを発揮しきれていない。正直に言えば、ほど遠いね」
「彼らがここにいる全員のサポートを得て、F1が大衆の目に触れるために必要な、ほんの少しのアイディアをひねり出してくることを願っている。サッカーほどに大きくなれるかどうかわからないけれど、それに近いところまではいけるといいね」
ハースF1チームで代表を務めるギュンター・シュタイナーは、非選手権レースは費用を考慮し、単なるレギュレーション変更の実験としてではなく、健全な商業基盤のもとで開催する必要があると警告する。非選手権レースのプランについてブラウンと話し合いを持っていないことを強調したうえで、レースの費用が計画の魅力を削ぐ可能性があるというのがシュタイナーの考えだ。計画の潜在的コストについての質問に、以下のように答えた。
「まず最初に私が思ったのは、なぜ我々がそんなことをしなければならないのか、ということだ。選手権の一部ではないものから、何を得られるというのだろう? 確かに(新しい)レギュレーションは考えつくだろうが、商業的側面を持つことも必要だ」
「彼は、より大きな計画を隠しているのかもしれない。チャンピオンシップ以外のレースでも、観客を集められた古き良き時代のような、何かをね。しかし、レギュレーションを模索するためにレースを行うって? その場合は、かなり高くつくことになるだろう」