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WRC:トヨタ、灼熱高地の第3戦メキシコで“未知の戦い”へ。マキネン「地に足を着け戦う」

2017年03月03日 19:12  AUTOSPORT web

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TOYOTA GAZOO Racing WRTは、グラベルでのテストを数多くこなしてきた
WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンで勝利したTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが次に挑む3月9~12日開催の第3戦メキシコは今シーズン初のグラベル(未舗装路)ラリーだ。トヨタはここでも2台のヤリスWRCを投入し、3戦連続の完走を目指す。

■2017年最初のグラベルラリー
 ラリー・スウェーデンでの劇的な勝利から約1カ月のインターバルで行われるラリー・メキシコはトヨタにとって未知なるラリーで新たな挑戦だ。同大会は2004年に初めてWRCカレンダー入り。以降、例年シーズン最初のグラベルラリーを務めている。

 3月のメキシコは気温が30度前後と暑く、スノーイベントのラリー・スウェーデンとは真逆のコンディション。加えて、スペシャルステージ(SS)が設定される地域は海抜1800~2737メートルの高地になるため、空気が薄く最大20%のエンジン出力低下が見込まれる。

 こういった条件が揃うことから、ラリー・メキシコはドライバーやマシン、エンジニアにとっても、他大会以上にタフさが求められる。

 今年のラリー・メキシコは全19SSで構成。競技初日の9日夜にメキシコシティの中心部にあるソカロ(憲法広場)で2SSが行われてスタートする。

 10日以降はメキシコシティから北上してグアナファト州レオンを中心に走行が行われる。SSの合計距離は370.46km、総走行距離は897.68kmだ。
■マキネン「高い気温と標高の組み合わせからくる影響が読めない」

 チーム代表のトミ・マキネンは「我々がこれまでに実施してきたテストは大部分がグラベルのコースだったから、メキシコに向けて、それなりに自信を持っている」と意気込みを語る。

「しかし、ひとつだけ読めないのは高い気温と高い標高の組み合わせがどのように影響するかということだ」

「昨年、我々はスペインのグラベルコースで気温が40度に達するような状況でテストを行なっている。またエンジニアは高地でのエンジンマッピングについて開発作業を続けてきている」

「しかし、このふたつの要素が実際に一緒になった時に、どういった状況になるかは分からないんだ」

「前戦ラリー・スウェーデンでは優勝という、信じられないような結果を得ることができたが、地に足を着け、より一層成長できるよう戦っていきたい」

「これまでのところ、今年のWRCは全マニュファクチャラーの力が拮抗していて、最速タイムを競い合っている。このスポーツにとっては素晴らしいことだと思うよ」

 前戦でトヨタに18年ぶりの勝利をもたらしたラトバラは、昨シーズンのラリー・メキシコ優勝者。しかし、今年はこれまで同様に完走を第一目標に掲げるという。

「昨年勝つことができた理由のひとつは、出走順が遅かったことにある。ライバルが苦労しながら走って“掃除”をしてくれた、クリーンな状態のグラベルコースを走行することができたんだ」とラトバラ。

「(競技初日は先頭走者を務めるため、)今年は逆の立場になるから、総合5位以内に入ることができたら喜ぶべきだろうね」

 ラトバラのチームメイト、ユホ・ハンニネンはラリー・メキシコへの出走経験は1度のみだが、「個人的に好きなラリー。出走順も味方するはずだから最大限に活用して戦いたい」と語り、ベストリザルト更新へ自身をみせた。