マーケティング調査会社のインテージは3月3日、先週初めて実施された「プレミアムプライデー」についての事後調査を発表した。実際に「早く帰った」と答えた人が3.7%に留まり、「早く帰らなかった」(96.3%)が圧倒的多数となった。
調査期間は2月24~27日。東京・埼玉・神奈川・千葉在住の20~59歳で、勤務先でプレミアムフライデーを「推奨・実施することが決まっている」または「わからない」と回答した男女2235人を対象に行われた。
早く帰れても結局は「おうちでのんびり」 消費喚起は失敗か
それによると職場で「プレミアムフライデーが実施された」または「奨励された」割合は全体の10.5%。それでも9割近くの企業では導入されなかったようだ。
実施されたとしても上手くいくかはまた別だ。プレミアムフライデーが実施・推奨された企業で、「早く帰るつもりがあった」と回答した人は47.6%で「早く帰るつもりがなかった」(52.4%)よりやや少ないという結果になった
早く帰らなかった一番の理由は、早く帰る意識がある人、ない人どちらも「仕事が終わらなかったから」だという。その他の理由としては「後日仕事のしわ寄せが来る気がしたから」「プレミアムフライデーを特に意識してなかったから」「職場の周囲の目が気になったから」が挙げられている。
では、早く帰ることができた人たちは、どのように退社後の過ごしたのだろうか。最も多かったのは「自宅で過ごした」(41.8%)。こう回答した人たちは「テレビ・DVDを観た」「ゴロゴロした・寝た」「インターネットをした」という。
次点で「食事に行った」(32.1%)。企業によって状況が異なるためか「会社の同僚」と回答した人が多かった。また「買い物に行った」(26.6%)と答えた人は、いつもより少し早く退社できたことで、普段の平日よりゆっくり商品を吟味することができたと考えられる。
実施・奨励されなかった人は否定的 一方、早く帰れた人の8割は「次回も利用したい」
「プレミアムフライデー」に対する印象はどう変化しただろう。事前調査の結果と見比べてみると、「肯定的」「どちらかというと肯定的」な印象だと答えた人は41.5%から24.8%に減っている。
中でも「実施・奨励されなかった人」は否定的な印象を強く持っていることが分かった。
その理由として「すべての職業・業種の人が早く帰れるわけではないから」(74.2%)、「自分の会社は導入しないと思うから」(61%)となっており、公平性の面で否定的な側面がより色濃くなった。
一方で、早く帰れたひとたちはやはり肯定的に感じている。理由として「早く帰れるから」(67.2%)、「プライベートが充実するから」(59.1%)が上がっている。早く退社することで自分の時間にゆとりが生まれると感じた人が多いと見られ、82%の人が「次回も利用したい」と答えている。
しかし、先述の通り「プレミアムフライデー」の恩恵にあずかれた人はごくわずか。その現実を考えると、定着・効果拡大に向けては今後の実施施策の浸透がカギとなりそうだ。