3度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、バルセロナF1合同テストで連日スピンし困難なスタートを切ったウイリアムズのルーキー、ランス・ストロールに同情すると語った。今年のF1マシンはルーキーが乗るには難しいとハミルトンは考えている。
18歳でのF1デビューを控えたストロールは、今週のテストで2日連続でクラッシュし、その影響でウイリアムズは最終日への参加を断念した。
テスト2日目の火曜日、ストロールはコースオフし、FW40のフロントウイングを破損、チームにパーツの用意がなかったためテストが再開できず、12周の走行で終わることになった。
3日目水曜日には98周を走行したが、午前中のセッションが終わる間際にスピンしてグラベルに飛び出している。午後にはターン5を抜ける際にリヤのコントロールを失い、バリアに激突してマシンのフロント部分を損傷した。
ダメージの範囲を調査した結果、当日の朝、ウイリアムズは最終日の参加を取りやめることを発表した。
「夜を徹してチェックした結果、FW40シャシーにダメージがあることが分かった」という声明をチームは発表した。
「そのため安全上の理由から、今日(テスト4日目)は走行しない。2台目のシャシーは当初の予定どおり今日の午後、サーキットに届く」
「我々は来週3月7日火曜にスタートする2回目のテストで走行を再開するつもりだ」
その結果、チームとフェリペ・マッサはピレリの新ウエットタイヤで走行してデータを集める機会を失った。
一方、ストロールにとっても、F1デビューを前に貴重な走行時間をロスしたのは大きな痛手になる。
2日間で3回のスピンを喫したストロールに関し、ハミルトンは「最速で最も身体的負荷の高い」2017年のマシンでのF1初参戦は厳しい試練になることは予想できたとして、同情的な発言を行った。
「今年はF1にデビューするのにいまだかつてないほど厳しい年だという意味で、彼には同情する」とハミルトン。
「彼が世界中を旅してウイリアムズでテストを行ってきたことは知っている。彼は間違いなく、新しく(F1に)入ってくるドライバーとして、他のドライバーなら望めないほどの準備期間を与えられていたんだ」
「(それでも)予想できたことだが今年のマシンはドライブするのが簡単ではない。コーナーでははるかに速くなっている」
「以前に比べて正確さが一層重要になっている。昨年のマシンは今年に比べたら簡単だったと言える」
ハミルトンは、シーズン中のミスを減らすため、テスト期間にたくさんの経験を積むことがストロールにとって重要であると考えている。
「まだ最初の段階だ」とハミルトンは言った。
「経験がないのに、マシンに乗ってスピンもせずに安定したドライブをするなんてことはできないよ。予想できたことだ」
「実際のところ、今これを経験しておいた方が、最初のレースで経験するよりも、彼にとってはいいと思う」