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健康に有害な、魚に含まれる水銀量がわかるツールをスペインの大学が開発中

2017年03月02日 18:03  Techable

Techable

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寿司や刺身好きなら、マグロやメカジキなどの大型捕食性海洋魚をよく食べるかもしれない。ただ、こういった魚には水銀が多く含まれていることもあり、健康を害する恐れがある。

中枢神経系に影響を与え、筋力低下やしびれ、発話や視聴、視覚困難などを引き起こすこともあるという。特に妊娠中の女性は水銀中毒のリスクに気をつけなければならない。

とはいえ、全部の魚に大量の水銀が含まれているというわけでもない。ではどうやって含有量を知ればよいのか?
・魚肉に含まれる水銀量を判別するプローブ
そんな疑問に答えてくれるツールを、Tomas Torroba氏らが所属する、スペインのUniversity of Burgosの研究チームが開発しているという。同チームではすでに2013年の時点で、水中に含まれる水銀を検知するシートを開発していた。

この技術をベースにさらに開発が進められたのが、「JG25」というポリマー物質だ。この素材を使ってプローブ(探り針)状にした。
・UV光下で、水銀に反応して蛍光ブルーに光る
テストには、数種類の魚の新鮮なサンプル2グラムを使用。魚肉に針を刺したまま、20分間放置したのち、UV光にサンプルをさらすと、含有される水銀に反応して蛍光ブルーカラーに光る。色がより強くなればなるほど、水銀の量は多いということになる。

ちなみに、有機メチル水銀、無機水銀塩のどちらのタイプの水銀にも反応するという。これなら、一目瞭然で含有水銀量がわかるという仕組みだ。
・魚市場や小売店での運用に期待
現在はまだラボのテスト段階だが、今後魚市場やスーパーなどの小売店でのチェックに用いられることが期待される。

健康は、日々口にするもので形作られる。自身や家族の健康に留意したいものだ。

Plataforma SINC

University of Burgos