R5カテゴリーにおける先駆者として『プジョー208T16』を使用して活動を続けるプジョー・ラリー・アカデミー(PRA)が、2017年のERCヨーロッパ・ラリー選手権で通年のジュニアプログラムを始動させる。
このプジョーの育成プログラムは2013年から活動をスタートさせており、現在WRC世界ラリー選手権で活躍するケビン・アブリングやクレイグ・ブリーン、ステファン・ルフェーブルなど、次世代のスター候補生を続々と輩出してきた。
そして今季からERCが設立するU28(28歳以下のドライバー限定の選手権ポイント制度)に向け、PRAは新たに21歳のぺぺ・ロペスと、26歳のホセ・スアレスを起用し、ERCジュニアU28にフルエントリーすると発表した。
ロペスは昨年のフランス国内選手権併催の208ラリーカップ王者で、スアレスは昨年もPRA育成ドライバーとして、ERCの数戦でプジョー208T16をドライブしている。
ERCのコーディネーターを務めるジャン-バティスト・レイは、この新たなプジョーの取り組みを「ERCに歓迎したい」とコメントした。
「このふたりの若い才能に最適なシリーズがERCであり、世界最高峰に昇格する希望を持つドライバーに対し、新たなスキルを習得し、ラリーを学習するのに最適なフィールドになるだろう」とレイ。
「このERCジュニアU28の賞典には、2018年のWRC欧州ラウンド数戦で旧型WRカーをドライブする権利も含まれる」
「また、208ラリーカップとの提携で今季後半のERCに(208ラリーカップの)成績上位者を招く試みも行う」
さらに、2017年の208ラリーカップ王者には、2018年のERCフル参戦の権利が無償で提供されることも決まっており、育成プログラムとしては異例の規模となっている。
この枠組みを主導するPRAのスポーティングディレクター、ブルーノ・ファミンも取り組みの意義を次のように説明する。
「今回の(ERCプロモーターである)ユーロスポーツとの協業にとても満足している。2017年のPRAの取り組みは、何は無くともERCに重点を置いたものになるだろう」
「彼らは我々のラリーカーラインアップの最高峰である208T16のR5カーをドライブすることになる。これは若いふたりが重圧を受けずに高度な運転技術を習得する助けになるはずだし、プロフェッショナリズムを体得していく過程にもなるだろう」
今季のERCは、暫定カレンダーの全10戦から南欧で開催予定となっていたグラベル戦と、中欧で開催予定だったターマック戦、計2戦分のTBAラウンドが消滅し全8戦となり、開幕戦は3月31日のアゾレス・エアライン・ラリーとなる。