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『光をくれた人』マイケル・ファスベンダー×デレク・シアンフランス監督、原作小説に落涙

2017年03月02日 17:33  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC

 デレク・シアンフランス最新作『光をくれた人』の原作『海を照らす光』の文庫本発売にあわせて、原作者M・L・ステッドマン、デレク・シアンフランス監督、マイケル・ファスベンダーのコメントが公開された。


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 本作は、2016年ベネチア国際映画祭でプレミア上映された、オーストラリアの作家M・L・ステッドマンの『海を照らす光』を基にしたラブストーリー。『ブルーバレンタイン』のシアンフランス監督がメガホンを取り、灯台守の夫婦トムとイザベルを、『それでも夜は明ける』のマイケル・ファスベンダーと『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデル、赤ん坊の実の母親ハナを、『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズがそれぞれ演じる。


 原作を読んだシアンフランスは、地下鉄の中で人目もはばからず泣いてしまったといい、「人々がこの作品に魅かれるのは、愛の痛みと愛を失う辛さがすごく正直に描かれているからなんだ。そしてそれが贖罪と癒しとなる見事な表現で綴られているんだ」と述べた。また、今までオリジナル脚本にこだわり続けてきた監督が、初の試みに挑んだきっかけは、“愛や家族の遺産、孤独、選択”というステッドマンとの共通のテーマだといい、「私はこれまでライフワークとして、基本的には人間関係や家族を描いてきた。フィルムメーカーとしての私の使命は、内奥の人間関係を描くことだと思うんだ」と語った。


 一方で、「原作に驚くほど忠実に描きたかった」と語る監督だが、原作ではトムとイザベルが同時に赤ん坊に関する真実を知るが、映画ではトムだけが先に真実を知る設定に変更した。この変更については、「だからこそ観客には彼がひとりで重荷を背負っているのが分かるんだ」と述べている。また、本作の魅力について、「観客にはこの素晴らしいラブ・ストーリーを存分に味わってほしい。愛と真実が交錯する古典的なテーマだ。そして最も誰の気持ちが分かるかとか、誰の選択が正しいとか、その理由なんかを話しながら劇場を後にしてくれることを願っている」と語った。


 そして完成した映画を観た原作者のステッドマンは、「私はとても恵まれたわ。このプロジェクトが素晴らしい映画監督のデレク・シアンフランスの手に渡ったんですもの。結果、この上なく美しい感動的で(原作に)忠実な映画となったわ。私の小説の世界観を受け継ぎながら、監督と俳優たちは登場人物も深く掘り下げてってくれたの」と賛辞を送った。


 さらに、トム役のファスベンダーも泣かされたひとりであることを告白し、「脚本に感動して涙したよ。原作を読んだ時もそうだったけどね。原作と脚本を読んで、僕はトムの道徳心と忠誠心、そしてキャラクターの持つ力に魅きつけられた」とコメントした。(リアルサウンド編集部)