バレンタインデーに職場の男性へチョコを配るかどうかが、女性同士の人間関係に思わぬ余波を広げるケースがある。
はてな匿名ダイアリーに2月28日、「気遣いのできるいい子」という投稿が寄せられた。投稿者の女性が所属する部署では、先輩と投稿者の2人の女性社員がいる。入社時にバレンタインについて先輩に聞いたところ、「全社員の暗黙の了解で義理チョコはない」と言われた。その言葉通り、上司を含め男性社員にチョコが配られることはなかった。
その後何年も職場内でチョコを配ることはなかったが、今年のバレンタインに「思い出すといまだにもやもやとする」という事件が起こった。
「そこまでして、自分の評価を上げたいのだろうか」
いつも通り仕事をして、昼食をとり、おやつの時間になった時、先輩は給湯室に向かった。だが帰ってきた時には先輩はかわいらしいピンクの箱を手に持っていた。先輩はその後「今日はバレンタインなので、よかったら、チョコどうぞ」と言いながら、自部署内を配り始めた。そのチョコを男性たちがワントーン明るい声を出して受け取る姿を見て投稿者は衝撃を受ける。
「やられた、と、その一言が頭の中を渦巻いていた」
そして、男性社員から自分が「気遣いのできない嫌な女だと、感謝と配慮の足りない女だと、そう見られているような感じがした」という思いが沸き起こった。これ以来、「どうして一言教えてくれなかったのか」と、投稿者は先輩に対して不信感を抱き始める。自分だけがチョコを配らなかったために、「評価が相対的に下げられた」と感じてしまい、
「そこまでして、自分の評価を上げたいのだろうか」
と憤りをあらわにした。
はてなブックマークでは、「こういうので、抜け駆けされると、心中穏やかではいられないだろう」と同情の声が挙がる。投稿者は自分の評価が下がったことを心配しているが、これに対しては、
「仕事こそが関係性の中心だし、普段の積み重ねできっと大丈夫」
「周りの評価下がるかな?会社によって雰囲気は異なるだろうけど、そんなに気にしなくていいと思う!」
など、励ましの言葉が並んでいる。
男性からは「配らない方が気遣いできている」という声も
男性からも、「ぼくのようにチョコレート嫌いな人には迷惑なイベントでしかないので、あなたが正しい」など、投稿者を擁護する意見が寄せられている。
「俺みたいに『お返しが面倒だから義理チョコくばらないでくれー』って思っている男もいるから気にしなくていい」
「こういうバラまきのチョコくれた時ってどうお返ししていいのかすごく悩むから、増田(編注:投稿者)のように配らない選択をしてくれた人の方が個人的には気遣いできる人だと思ってしまったり……」
確かに男性の立場からすると、もらったチョコに対してどうお返しするかは悩むところだ。
一方で、「まったく自分がない人で笑う」「男からすると、 女同士のくだらない嫉妬にしか見えない」など、悩むに値することではない、と冷ややか目を向ける人もいた。