テスト初日からふたり合わせて152周を走破し、ルイス・ハミルトンが早くも16年スペインGPのポールポジションタイムを更新して、速さと信頼性の高さでライバル勢を圧倒していたメルセデスAMG。
2日目はトップタイムこそフェラーリのキミ・ライコネンに譲ったものの、周回数ではライコネンの108周を大きく上回る168周もの距離を走り込んだ。
しかも、お昼休み明けの午後2時からスタートしたテスト後半にステアリングを握ったバルテリ・ボッタスは、4時間のテスト走行でなんと102周も走行。じつは、この日メルセデスAMGはすでにレースシミュレーションを行っていたのである。
メルセデスAMGのあるエンジニアによれば、66周のレースシミュレーションは、2016年のレースで優勝したマックス・フェルスタッペンと同じ2回ストップで行われたという。使用したタイヤは昨年のスペインGPでフェルスタッペンがソフトでスタートして、その後ミディアム、ミディアムとつないだのに対して、この日のボッタスはソフト、ソフト、ソフトとすべて同じコンパウンドをしていた。
これについて、前出の某エンジニアは「これはマシンの信頼性を確認するとともに、メカニックにとってのピットストップ作業の練習のために行うのが目的なので、コンパウンドは重要ではない」と説明していた。
この日、トップタイムをライコネンに奪われたことに対しても、そのエンジニアは「心配はしていない。フェラーリがどれくらいの燃料でアタックしていたのかわからないが、われわれは少なくとも1回目のテストで予選アタックをすることはないからね」と余裕の笑み。
この日、メルセデスAMGは前日試したTウイングの改良版であるダブルTウイングを装着。信頼性だけでなく、空力の開発においても、一歩リードしているところを見せつけていた。