FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、WRC世界ラリー選手権に参戦するマニュファクチャラーには、同シリーズへ長期間関与するという保証を求めたいと語った。
■「フォルクスワーゲンを失って痛感」
2017年のWRCにはヒュンダイとMスポーツが継続参戦しているほか、昨年をマシン開発期間に充てたシトロエンがワークス復帰。そしてトヨタが18年ぶりに復帰参戦を果たしている。
当初は上記4チームにフォルクスワーゲンを加えた全5チームで争われると思われていたが、フォルクスワーゲンは昨年限りでWRCから撤退することを急きょ表明したため、全4チームでの争いになっている。
マホネンはフォルクスワーゲンの撤退でWRCは大きく“傷ついた”と語り、現在参戦している4チームには長期参戦を保証してもらいたいと述べている。
「WRCに参戦しているマニュファクチャラーが、たった1年間の活動のために巨額を投じる愚かな人々ではないことは承知している」とマホネン。
「しかし、彼らと協力して成果を生み出すためにも、参戦マニュファクチャラーには長期参戦を確約してもらいたい」
「彼らが次の年も参戦すると確信が持てなければ、新たなものを生み出すことは不可能だ。どうしても時間がかかることだからね。フォルクスワーゲンを失って、それを痛感したよ」
■フォルクスワーゲンの撤退は「スバルとは状況が異なる」
フォルクスワーゲンのWRC撤退、そして姉妹ブランドであるアウディのWEC世界耐久選手権活動終了は、どちらも同社の排ガス不正問題に端を発するものだと考えられている。
マホネンは、ラリー競技自体がフォルクスワーゲン撤退の理由ではないことに胸をなでおろしたとも明かしている。
「フォルクスワーゲンの撤退は本当に残念だった。しかし、彼らが撤退を表明するまで、17年のWRCは5チームが争う形になっていた。これは我々の努力が正しい方向に向かっていた証だよ」
「そして、もっとも重要なのはフォルクスワーゲンが撤退した理由が、自分たちの直面している状況によるものだったことだ」
「WRCに価値を見いだせなくなったとして2008年に撤退したスバルとは、まったく状況が異なる」
「これは大きな違いだよ」