2018年卒の就職活動が3月1日からスタートした。例年この日は就活ナビサイトにアクセスが集中してサーバーがダウンするが、今年は無事だったようだ。18年卒は16卒・17卒と同様売り手市場と言われているが、企業にとっては苦しい情勢が続きそうだ。
3割の企業が昨年より採用数を増加させる予定
人材会社のディスコは2月23日、1万8058社を対象に18年卒者の採用方針について調査した。それによれば、前の年(今春入社予定者)よりも採用を「増加」すると答えたのは29.3%、「減少」は7.9%と、大差で「増加」が上回った。増加が減少を上回るのは7年連続で、売り手市場を象徴する結果となっている。
また、「採用予定人数の確保よりも、学生の質を優先」と答えた企業が80%と依然として圧倒的多数ではあるが、「学生の質より人数を重視」すると答えた企業も20%あり、調査以来初めての2割台になった。人材獲得競争の激化がうかがえる。
こうした中、スーツ、履歴書、面接といった従来のステップとは異なる方法で学生の確保に取り組む会社も多く見られる。
webデザイン・プログラミングの短期学習スクール「WebCamp」を運営するインフラトップは、IT企業エイチームと共同で、内定に直結する「コラボキャンプ」を3月下旬に行う。
プログラマーやwebデザイナーを目指す学生を対象とし、成績優秀な受講者にはエイチームへの特別選考ルートが開かれる。さらに、キャンプ中4回行われる講義にすべて出席した学生には、受講料2万9800円が全額キャッシュバックされる。
同社の担当者は「これまでもエイチームとのコラボは行っており、今年春には2人の新卒者がエイチームに入社の予定です。今回は講座提供だけでなく、人事との交流の機会やオフィス見学会も実施して会社への理解を深めてもらう予定のため、内定者はさらに増えると思われます」と期待を語っていた。
18卒が内定もらうのが先か、新社会人となった17卒が仕事を辞めるのが先か」
また、これまでも特徴的な採用活動を実施してきた面白法人カヤックは、今年は「いちゲー採用」を実施。「プラチナトロフィー選考」「ゲーム履歴書選考」「協力プレー選考」の3つを用意し、ゲームのプレイ実績やそこで学んだことをアピール材料として就職活動が出来るようにした。学生時代のアルバイトやサークル活動と同様の学びはゲームからも得られると判断した結果の実施だ。
プラチナトロフィー選考では、プレイステーション4で獲得率0.1%という「プラチナトロフィー」の所持者は一次選考が免除になる。ゲーム履歴書選考では、どんなゲームをどのように攻略したかなど、ゲーマーならではの戦略性や学びについて書いた履歴書を提出する。
協力プレー選考は「NEW みんなのGOLF」「THE PLAYROOM VR」を使ったグループ選考となっており、勝ち負けだけではなく、課題にどう立ち向かったかのプロセスも評価対象だ。
これについてゲーム会社のセガはツイッター上で「弊社はゲームが下手でも内定出します」と自社への応募を呼び掛けるなど、様々な会社で人材の争奪戦が熾烈化している様子だ。
ツイッターには「就活生となった18卒が内定もらうのが先か、はたまた新社会人となった17卒が仕事を辞めるのが先か、人生を賭けたチキンレースが今 始まる…!!!」という呟きが見られた。目先の内定だけに囚われ、就職後にミスマッチを起こしては元も子もない。焦らず確実に進路を選べるよう、心してかかりたいところだ。