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WEC:ディ・グラッシ、ル・マン挑戦に向けトヨタと交渉か。契約保持するアウディは難色

2017年03月01日 05:02  AUTOSPORT web

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ルーカス・ディ・グラッシ
2016年、アウディからWEC世界耐久選手権に参戦していたルーカス・ディ・グラッシは、2017年のル・マン24時間耐久レースへ参戦できる可能性は「極めて高い」と語った。

■ル・マン参戦の障壁はアウディが持つ契約
 アウディのシリーズ撤退に伴いシートを失ったディ・グラッシは、ル・マン参戦に向けて、トヨタが投入する3台目のTS050ハイブリット、またGTEクラスに参戦するポルシェと交渉を進めているとみられている。

 ディ・グラッシ自身も「LMP1クラスかLM-GTEプロクラスから参戦することができそうだ。僕はこのふたつのカテゴリーにしか興味がないしね」と、ル・マン参戦意欲を隠さない。

 トヨタの3台目については、2月上旬のモータースポーツ活動体制発表で、ステファン・サラザンがドライブすることが明かされているほか、残る2シートのうち、ひとつには平川亮や国本雄資の名が取り沙汰されている。

 なお、ディ・グラッシは現在もアウディとの契約が残っており、ル・マン参戦に向けてはトヨタとアウディが交渉していると報じられた。

 アウディスポーツ代表のディーター・ガスは「ルーカスが、どのチームでドライブできるのか制限がかかっている」と述べている。

「ワークスチームより、プライベートチームへ放出する方が容易なのは言うまでもない」

「我々は競争のレベルについても検討している。たとえば彼にはライバルブランドのためにドライブして欲しくないと思っているんだ」

「しかし、我々はマルセル(・ファスラー)やマイク(・ロッケンフェラー)をデイトナ24時間のためにコルベットにリリースしている実例もある。それに彼らは今シーズン中、ほかのレースに出場も可能だ」

■ガス「ルーカスのマカオグランプリ参戦ありえる」

 ガスは、ディ・グラッシとアウディのLMP1契約は2017年まで有効なものであり、フォーミュラEで所属するアプト・シェフラー・アウディスポーツとの契約も合わせて、改めて詳細を整理している段階だとも付け加えた。

「WECに関するルーカスとの契約は無効になっておらず、現在も有効だ」とガス。

「同時に彼はフォーミュラEでアプトと別の契約を交わしている」

「つまりふたつの契約のうちひとつについて取り組んでいるところだが、フォーミュラEは別として新しい契約内容を、まだまとめられていない」

「我々はルーカスが引き続き、アウディのワークスドライバーを務めるという同意書を交わしている」

 ディ・グラッシには、今シーズン終盤にマカオグランプリに復帰する選択肢もあり得るという。彼は2005年に伝統あるF3で優勝を獲得し、2012年にはGTレースに参戦している。

「ルーカスをGTプログラムで起用する可能性も検討しているので、マカオグランプリは出場も不可能ではない」

「彼がマカオを得意とするドライバーのひとりであることを我々は忘れはしない」

「まだ確定はしていないが、こうしたことを我々は検討しているところだ」