2017年02月28日 20:54 弁護士ドットコム
「17年でも短いと思っていたのに…」。結果を聞いた被害者の冨田さんは、そう言って絶句したというーー。東京都小金井市の路上で、女子大生・冨田真由さんを34回も刺した岩埼友宏被告人に対し、言い渡された判決は、求刑の懲役17年より短い懲役14年6月だった。
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判決後、記者会見した冨田さんの代理人・柴田崇弁護士は、「代理人としての要求は無期懲役」と前置きしつつ、「求刑通りの判決が出てもよかった」と発言。検察に控訴するよう求めたことを明かした。
この裁判には、冨田さんも被害者参加制度を利用し、岩埼被告人に対し、無期懲役を求めていた。代理人によると、冨田さんは判決を裁判所の控え室で迎えたが、結果を聞いて、大きなショックを受けた様子だったという。
代理人が発表した冨田さんのコメントでは、「たった約14年後には、犯人が塀の外を歩いている。そう思うと、今から不安と恐怖しかありません」などと、岩埼被告人が出所した後の恐怖がつづられている。実際に裁判では、冨田さんの意見陳述中、岩埼被告人が怒鳴り声をあげ、退廷処分となったこともあった。
判決の直前にあった最終意見陳述で、岩埼被告人は「冨田さんに二度と近づかない、関わらないと誓う」と発言したが、柴田弁護士は「ああいう風に発言しない被告人がいるのか。信じることができないと思っている」と厳しく批判した。
現行制度では、被害者は出所後の加害者の居所を把握することが、実質的にはできない。柴田弁護士は、「被害者の身を守る制度が、きちんと作られるべきだと思っている」とも話していた。
(弁護士ドットコムニュース)