劇団鹿殺しの舞台『電車は血で走る/無休電車』が、6月2日から東京・下北沢の本多劇場、6月23日から大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。
同劇団にとって今年唯一の本公演となる『電車は血で走る/無休電車』。2008年初演の『電車は血で走る』と、その続編で2013年に初演された『無休電車』を、連続した1つの作品として再演する試みとなる。両作は大阪・豊中を舞台に、工務店の仕事仲間によって結成された素人歌劇団の顛末を描く音楽劇シリーズで、同劇団にまつわる実際のエピソードを盛り込んだ半自伝的な内容が語られるという。出演者などの詳細は3月上旬に発表される予定だ。
なお同公演の上演にあたり座長の菜月チョビは「劇団の歴史を更に重ねていく今年唯一の劇団公演、これまでに無い大きな挑戦を見せることを大体30代の我々、決意しました。まさに流れる(30代の!)熱い血で走る、無休の電車としての劇団鹿殺しを感じてもらえる公演です」と意気込みを語っているほか、鴻上尚史、春風亭昇太からの応援コメントも公開されている。
■菜月チョビ(劇団鹿殺し)のコメント
劇団鹿殺し2017年唯一の本公演です。
活動16年目第一歩となる今年唯一の本公演ならば無茶したい!ということで……
大切に大切にしてきた記念碑的作品「電車は血で走る」(2008年初演)、その続編として2013年活動休止前に上演した「無休電車」の二つの代表作を二部作同時上演する大挑戦、やってやろうじゃないか!
劇団の歴史を赤裸々に盛り込んだ半ドキュメンタリー作品として、関西での旗揚げから上京、劇団を形作ってきた、路上パフォーマンス、フレディマーキュリー、歌舞伎、ロック、そして旗揚げの地関西に抱く強烈なノスタルジーの全てがてんこ盛り。
活動の節目ごと、骨を削るようにして生まれた夢と現実の大きな痛みを描いた物語と、愛する「(阪急)電車」を生演奏の「楽隊」で表現するファンタジックで無骨な音楽パフォーマンスに溢れた作品は、歴代作品の中でも鹿殺しを語るのに最も強い核となる二作です。
それらを同一キャスト、ひとつの連続した作品として再上演することで、劇団としての存在の強度を自らに問う大きな一歩としたいと思います。
劇団の歴史を更に重ねていく今年唯一の劇団公演、これまでに無い大きな挑戦を見せることを大体30代の我々、決意しました。
まさに流れる(30代の!)熱い血で走る、無休の電車としての劇団鹿殺しを感じてもらえる公演です。
どうぞご注目、応援、ご期待下さい!
■鴻上尚史のコメント
「永遠のブレイク寸前」というキャッチフレーズに大笑いしました。
でも、もう笑ってる場合ではないですね。
小ちゃいチョビと大きい丸尾丸一郎と金髪のオレノグラフィティのパワフルなトライアングルを中心に、鹿殺しはガシガシと進撃を続けるのでしょう。音楽の生演奏にもしびれます。
大人しい芝居をぶっ飛ばして、行けるとこまで行ってください。がんばれえ!
■春風亭昇太のコメント
初めて観た「劇団鹿殺し」は痛快だった。
きっと、この人達モヤモヤした物を抱えてきたんだろう…と思った。
創作活動の中で、犠牲にしなくてはならない生活や、時間や、コンプレックス。怒り。
それらのモヤモヤを吹き飛ばすような芝居で、何でもありのストーリーの中に、エネルギーと妙な説得力があって、スカッとした。
鹿殺しデビューが遅かった僕にとっては、今回の初期作品の公演は嬉しい限り。
きっと僕が今持っているモヤモヤも一緒に吹き飛ばしてくれるだろう。