「うちの会社はブラック」だと認識しつつ、会社を辞めずに働く人は多いらしい。
与信管理サービスを提供するリスクモンスター社は2月27日、第4回「仕事・会社に対する満足度」調査の結果を発表した。
ブラックだと思う理由1位は「サービス残業が多い」
調査は1月下旬、20代から40代の男女600人を対象にインターネット上で実施。「勤務先はブラック企業だと思う」と答えたのは26.5%。「勤務先はホワイト企業だと思う」の73.5%を大きく下回ったものの、回答者の4分の1は自らの就業先を「ブラック」とみなしていることが分かる。
ブラック企業だと思う理由は、どの年齢・性別でも「サービス残業が多い」がトップだった。今やサービス残業の多さはブラック企業を象徴するものとなっているらしい。
一方で、同じ質問を未婚・既婚で分けて見てみると、異なった結果が得られる。既婚者の「勤務先はブラック企業だと思う」理由1位は「有給休暇を取得できない」(45.1%)で、2位の「サービス残業が多い」(36.6%)と約10%の開きがあった。子育てや介護、配偶者の事情で休みたいときに有給休暇を使えないのは、自分一人が使えない時よりもストレスになるようだ。
ブラック企業に勤めていても年収500万円が勤続意欲の分かれ道
勤務先はブラック企業だと答えた人に「今後も勤め続けたいか」と聞いたところ「勤め続けたい」が47.8%、「勤め続けたくない」が52.2%という結果に。ブラック企業に勤めていると自認するうち半分は、「そうはいっても辞められない」らしい。
年収に注目してこの質問への回答を分析すると、面白い結果が分かる。年収500万円未満は「勤め続けたくない」と回答した割合が高く、逆に500万円以上だと「今後も勤め続けたい」と回答する割合が多い。会社に対して不満はありつつも、給与額を考えると転職を思いとどまるという人が多いようだ。やはりお金の力は強い。
調査では出世願望と年収の関連性についても集計している。こちらも同様に年収500万円以上では「出世願望あり」が「出世願望なし」を上回る傾向にあり、500万円未満ではその逆の風潮が見られた。
同社はこの結果について「出世願望と年収との間には、密接な相関性が生じていることがうかがえる結果となった」と分析しているが、出世願望が強いから年収が高いのか、年収が高いと出世願望が強くなるのか、因果関係の特定には至っていない。
「収入の多寡によってブラック企業に対するイメージが左右されてしまう傾向が見受けられる」ことが明るみになったが、サービス残業や有休が取得できないといった事例は違法である。お金に惑わされず、毅然とした態度でブラック企業に向き合いたいものだ。